【箱根全国化のリアル〈5〉】1度限りの挑戦、価値はあるのか…立命館大コーチの考え

箱根の“全国化”は来年1月開催の第100回大会限りになる見通し-。そんな情報に、陸上界は大きく揺れた。「チャレンジ~箱根全国化のリアル~」第5回は、関西から挑戦を表明している立命館大はどのように受け止めたか。

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秋へ向け練習の励む立命館大の選手たち。後方は田中裕介コーチ

秋へ向け練習の励む立命館大の選手たち。後方は田中裕介コーチ

「100回大会きりかなと思ってました」

箱根は101回大会以降、関東の大会に戻る-。その報道に対して、青学大の原晋監督がSNSでコメントするなどして注目を集めたが、立命館大の田中裕介コーチ(37)は、驚くことではないというようにいたって冷静に話し始めた。

「100回大会きりかなと思ってましたので。もちろん議論が盛んになって、来年以降も、ということになればとは思いましたけど、そう簡単には…。関東学連(関東学生連盟)さんが作ってこられた大会なので、そこにただ乗りというか、そういうのもおかしなところでもあるのかな、と思います」。

第101回大会の参加資格が「関東学生陸上競技連合男子登録者」に戻るのであれば、それを受け入れて、来年は全日本大学駅伝に的を絞る予定。

6月27日の報道からわずか2日後にもかかわらず、すっぱりと言い切ったのは、箱根だけに固執しない考えからだろう。

田中コーチは言う。

「距離を走ることで、5000メートルとか1万メートルについても自己記録更新の伸びしろとか、そっちにもいい影響があるのかなと思います。実際、箱根がなければ、そこに対するアプローチに前向きにならないというか、今までの関西のメソッドで、というところになってしまうと思う。いいきっかけだと思います」

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スポーツ

竹本穂乃加Honoka Takemoto

Osaka

大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。