【宇都宮ブレックス〈29〉】遠藤祐亮選手のシュート力を深掘りします〈4〉

遠藤祐亮選手(34)のシュート力を深掘りするため、ここまで3回連載してきました。中学生のころからきれいな回転のシュートを追求してきましたが、日本を代表する3ポイントシューターに成長するまでには紆余(うよ)曲折もありました。現在もシューターの第一人者として活躍を続けられる理由、そして今シーズンの残り試合をどう戦うかも語っていただきました。(インタビューは3月12日に行いました)

バスケットボール

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【次回予定〈30〉田臥勇太主将に聞く~頂点への道~】

かつての同僚、ジェフ・ギブス選手との再会(3月2日SR渋谷戦)に笑顔の遠藤選手

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マインドのスイッチが切り替わった瞬間

――2016年から出場時間を大幅に増やしましたが、3ポイントシュートに自信を持てるまで時間がかかったのはなぜですか?

遠藤 打つ瞬間にいろいろと考えてしまっていました。ノーマークでフリーの選手もいるし、相手のディフェンスがどう動くかというなかで、自分が打つのが一番と思える意識、メンタルが強くなかったと思います。

――では本当の意味で自信をつけたのはいつごろですか

遠藤 Bリーグになってから3年目です。古川孝敏選手らが抜けて、若手でがんばっていこうという流れになったのですが、スコアラーの部分が足りていなくて。まだ慎(比江島)も入団していなかったし、スタートで出ているのがナベさん(渡邉)、僕、誠司(鵤)、そしてライアン(・ロシター)とジェフ・ギブス。ナベさんと誠司はドリブルもうまくて自分でどうにかできる選手ですが、僕は3ポイントシュートで得点しなければいけない立場。本当に自分がやらなきゃいけないという状況に陥った時、マインドのスイッチが切り替わりました。

どんどんパスも来るようになったし、アテンプト(試投数)も増えました。強いチームに対しても自分のシュートで勝てるようになってきて、自信が一気につきました。他の人に打ってもらおうという弱気な自分じゃなく、スイッチが切り替わった時に、ディフェンスだけではなく得点力でもこのリーグで活躍していけるんだという自信がつきました。そこが自分にとっては大きなポイントだったと思います。

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。