ボクシング矢吹&力石の絆「兄弟同時世界王者」へ漫画以上の激動物語/取材ノート8

兄弟世界王者を目指して歩むボクサーたちがいます。

兄は、世界王者に返り咲きました。

弟は、新天地で初めての世界挑戦を狙っています。

荒れた少年時代を過ごし、ボクシングを始めました。過酷な道のりの中で、互いの存在を感じてきました。

そんな兄弟の物語が新しいステージに突入しました。

ボクシング

 
 
10月、IBF世界ライトフライ級タイトルマッチで王座奪還した矢吹は、家族らと記念撮影。右が力石。

10月、IBF世界ライトフライ級タイトルマッチで王座奪還した矢吹は、家族らと記念撮影。右が力石。

奪冠兄「おって当たり前の存在」

返り咲いた瞬間、リングサイドにはいつものように弟がいた。

10月12日、愛知県国際展示場。ボクシングIBF世界ライトフライ級タイトルマッチに挑んだ矢吹正道(32=LUSH緑)は、王者シベナティ・ノンシンガ(25=南アフリカ)から3度のダウンを奪い、9回TKO勝ちした。

22年3月に寺地拳四朗(BMB)とのダイレクトリマッチに敗れてベルトを失って以来、938日ぶりの戴冠。その長いブランクの間、常に寄り添ったのが弟の力石政法(30=大橋)だった。この時、力石は自身のジム移籍初戦を控えていたが「絶対にセコンドにつく」。全力でサポートし世界王者の瞬間を見届けた。

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スポーツ

実藤健一Kenichi Sanefuji

Nagasaki

長崎生まれ、尼崎育ちで九州とお笑いを愛する。
関大を卒業後、90年に入社。約2年の四国勤務でいろいろ学び、大阪に戻って主に大相撲、ボクシングを担当。
その後、担当記者として星野阪神の優勝に立ち会えて感動。福岡勤務などをへて相撲、ボクシング担当に舞い戻る。