<高校サッカー:滝川二5-3久御山>◇決勝◇10日◇東京・国立
「京都のバルセロナ」こと、久御山(京都)は健闘むなしく滝川二(兵庫)に3-5で破れ、初Vを逃した。67年度大会の洛北以来、京都勢43年ぶりの優勝も目指していたが、滝川二の攻守の切り替えの速さや球際の強さに、持ち味の攻撃的なポゼッションサッカーが不発。理想とするバルセロナのサッカースタイルをベースに“技巧派軍団”を育てあげてきた松本悟監督(51)も「まだ完成形じゃない。もっと技術を身につけさせて進化させたい」とさらなる成長を誓うしかなかった。それでも最後まであきらめず大観衆に感動を与えた。敗戦ムード漂う後半39分、FW安川のゴールで2点差に詰め寄ると、その2分後にペナルティーエリアでFW坂本がまた抜きシュートを決めて1点差。後半ロスタイム5分の表示に士気が高まったが、滝川二FW樋口の2得点目で息の根を止められた。しかし、坂本は「最後までパスをつなぎ、自分たちのスタイルでできた。満足です」と下は向かなかった。
松本監督は、バルセロナの得点シーンを自ら編集して学ばせたり、モチベーションが上がる名言集や本を読ませたりする。そんな地道な努力は将来必ず「選手権V」として成就されるはずだ。【菊川光一】