<全国高校駅伝女子>◇25日◇京都・西京極陸上競技場発着(5区間21・0975キロ)◇47校

 女子は豊川(愛知)が2年ぶり、大会最多に並ぶ3度目の優勝を飾った。史上初の「区間賞0人V」も、5人全員が区間4位以内の安定した走りで、1時間7分29秒をマーク。昨年2位に惜敗したリベンジを果たした。最近4年間で3勝、2位1回と“豊川時代”が到来した。男子は世羅(広島)が2時間3分50秒で2年ぶり7度目の優勝を飾った。

 熱い抱擁で、喜びを分かち合った。1区を3位で駆けた安藤友香主将(3年)が、リードを守った最終5区ワイナイナ・ムルギ(3年)に「ありがとう」と叫び、抱きついた。2位に敗れた昨年の雪辱を果たした安藤は「先輩から『去年涙を流した分、今年はたくさん笑いなさい』って言われていた」と頬を緩めた。

 ケニア人留学生ムルギが2週前、体調不良に陥った。血尿もあり思うような調整ができなかった。この日の合言葉は「ムルギを楽に走らせよう」。区間賞は誰も取れなかったが、4区福沢まで全員が区間4位以内でトップに。体調不十分だったムルギも「みんな頑張ってたから頑張れた」と区間2位の激走で逃げ切った。

 最近4年間で3勝、2位1回。優勝回数は史上最多に並んだ。学校裏のクロスカントリーコースで鍛えた足腰はロードレースに向いている。「選手みんなが『優勝する』という気持ちで頑張っている。それが大きい」と森安彦監督(50)。「豊川時代」はこれからも続きそうだ。【木村有三】