<全国高校駅伝男子>◇25日◇京都・西京極陸上競技場発着(7区間42・195キロ)◇47校

 男子の青森山田が、2時間5分51秒で5位に食い込み、5年連続入賞を果たした。各校のエースがひしめく1区で、其田(そのた)健也主将(3年)がトップと23秒差の4位と奮闘。3区のジョン・マイナ(2年=ケニア)が3位から2位に押し上げ、後続も粘り強く都大路を駆けた。

 安定した強さの裏には、珍トレーニングがあった。今年から演劇部への“出稽古”を敢行。週に1度、20分の発声練習をしてから走る。二階堂勉監督(66)は「ミュージカルもやらせようかな」と豪快に笑ったが、目的は腹式呼吸の習得だ。7区の柿本昇忠(1年)も「走っている時の呼吸が変わった」と真面目に取り組んだ。過去にはボクシング部に出向いたことも。ミットやサンドバッグをたたき、心肺機能を高めた。

 マイナ以外の6人は青森県出身で、其田と柿本は中学までサッカー部だった。其田は「寄せ集め陸上部」で出場した全国中学駅伝で1区2位と好走し、ミッドフィルダーからランナーへの転身を決意。3年間で「区間賞を狙ってたので悔しい」と言えるまでに成長した。仙台育英で35年、青森山田で13年目の二階堂監督は「人数も少ないけどその分目が届く。青森の子は素直で純粋。うちは育てるしかない。来年もユニークな練習をやる」と、6年連続入賞へ意欲満々だった。【今井恵太】