<全国高校バスケット選抜優勝大会:尽誠学園63-58沼津中央>◇男子準決勝◇28日◇東京体育館
男子の沼津中央(静岡)が尽誠学園(香川)に敗れ、全国制覇の夢を絶たれた。第2クオーター(Q)には最大18点リードしたが、第3Qに守備の形をゾーンからマンツーマンに変更すると、リズムを崩し相手に詰め寄られた。第4Qに戻しても流れは相手のまま。58点目を取ってから終了まで6分以上得点できず、残り1分30秒を切って逆転された。今日29日の3位決定戦に回る。
沼津中央が5点リードで始まった第4Q残り1分30秒過ぎ。ゴール下のシュートを決められ、ついに逆転された。202センチのシェリフ・ソウ(3年)は、尽誠学園の誇る195センチと192センチのツインタワーに挟まれ自由に動けない。得点源を封じられ焦った他の4人は、パスが乱れシュートが決まらない。6分以上も抵抗できずに試合終了。司令塔の川口颯(3年)は「自分が試合をコントロールできなかった」と、責任を負った。
杉村敏英監督(62)は下を向く選手に「俺のせいで負けた。俺と颯だよ」と語った。第3Qに生まれたひずみを修正できなかった。杉村監督はゾーンディフェンスからマンツーマンへの変更を指示。「相手がゾーンに慣れてきていたし、シュートを打たせないようにしてさらに突き放したかった」と言う。だが、その意図は選手に響かなかった。川口は「ゾーンでしっかり抑えられていた」として、再変更を直訴。それでも受け入れられない。迷いながらのプレー。第4Qに入ってゾーンに戻ったが、1度精彩を失った状態で勝てる舞台ではない。強豪を次々と倒し一丸となった尽誠学園にのみ込まれた。
男子バスケ部を強化して3年目。集大成を見せるはずの舞台で内側から崩れてしまった。「優勝して終わりたかった」と言うシェリフの言葉が切なく響く。あまりにも悔やまれる負け方で、今日の3位決定戦に向かう。【石原正二郎】