【阪神】マルティネスが育成同期の宜野座組抜擢を祝福「うれしい」真相と“野望”を秘めて沖縄へ
<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>
阪神育成アンソニー・マルティネス投手(25)は30日、キャンプインを前に、同期入団で育成ホセ・ベタンセス投手(25)の沖縄・宜野座キャンプスタートを祝福した。
昨年入団同期の抜てき決定後、初めて姿を目にした。ヘッドホンを耳にノリノリ。きゅっと口角を上げた笑顔。いたって、いや、いつも以上に明るいマルちゃんだった。「それを聞いた時、結構自分もうれしくて。そういうチャンスを与えてくれているんだと…。自分もベタンセスも頑張って目指していたんで、うれしいです」。ライバルであり、互いを高め合う関係だ。
あまりにも前向きで、穏やかなオーラを放っていたばかりに、先を越された、悔しい、そう考えることはないのか尋ねてしまった。「それは、関係ないと思っているんです。今回はベタが呼ばれたけど、もしかしたら次は、僕が選ばれてベタが変わることもあるかもしれない」。目の前の状況にぶれず、その日に向かって、己を貫く。
最速161キロ右腕のベタンセスとは「ベタマル」コンビとしてチームメートからも親しまれ、同期、同学年、同郷・ドミニカ共和国出身と共通点がある。昨季は2人ともファームで登板機会があり、2人はシーズン中、若手選手が住む虎風荘に拠点を置く。時にはそろってベランダで夕日を見てたそがれている日もあった。
昨秋安芸キャンプ紅白戦では最速157キロを計測。直接、藤川球児監督(44)から指導を受け、契約更改時には藤川監督から指摘を受けた「スタミナ強化」を今季の目標に挙げた。今オフは、日々5キロほどのランニングを自らに課し、ウエートを継続。「できるだけ早く上(支配下)に上がって、家族を助けて、いい思いをさせたい」。描く夢には、日本で活躍を収めた末に、両親へマイホームをプレゼントし、働かなくても暮らせる生活を与えたいのだ。
「家族も大事ですけど、自分の体を大事にして、1年間ずっと戦えるように」。両親や姉の温かい応援に支えられているマルティネス。春季キャンプは具志川組で始動し、「次は-」に迫るアピールを乞うご期待だ。【遊軍=中島麗】