野球手帳

元オリックス宮崎祐樹さん「野球を通じて夢を見てもらえる」亜大野球部OBが少年野球教室開催

野球教室「野球プロジェクト」に参加した前列左からソフトバンク嶺井、中日草加と田中、ロッテ中村稔、後列左からソフトバンク東浜、中日板山、ヤクルト松本、阪神岡留、中日加藤、ヤクルト北村、西武青山(撮影・保坂淑子)
野球教室「野球プロジェクト」に参加した前列左からソフトバンク嶺井、中日草加と田中、ロッテ中村稔、後列左からソフトバンク東浜、中日板山、ヤクルト松本、阪神岡留、中日加藤、ヤクルト北村、西武青山(撮影・保坂淑子)

高い降水確率の天気予報を裏切る冬の青空の下で、子どもたちの歓声が響いた。14日、兵庫・西宮市のビーコンパークスタジアムで、亜大野球部OBによる少年野球教室が開かれた。約200人の小学生が参加。過去には北海道や鹿児島、大分などで野球の普及、発展を願って開催されてきた教室も、今年で6回目となった。

元オリックスの宮崎祐樹さんが司会を担当。亜大の後輩をいじったり、子どもたちを励ましたり、巧みな話芸で場を盛り上げた。現役時代から活動に携わり、会社員兼社会人軟式野球チームの監督などを務める今も中心メンバー。「野球教室を通じて、いろんな方とつながりができる。野球をやめたあとの人生に、必ずプラスになります。それに、子どもたちに野球を通じて夢を見てもらえる。そういった活動に携われるのはうれしいこと」と意義を語る。

実際、野球教室開催で知り合った亜大OBにセカンドキャリア発進を助けてもらった選手はいた。教室に関わっていなければ顔を合わせる機会すらなかった、祖父と孫ほど年の離れたOBが一肌も二肌も脱いでくれたりもした。引退後に就職活動をした経験のある宮崎さんだけに、そういった存在のありがたさは熟知している。

さらに宮崎さんは「子どもたちはもちろんですが、現役の選手に楽しんでもらいたい」と続けた。長いようで短いのが、プロ野球選手のオフ。「その1日、2日を使うんだから『楽しかった、また来年も行こう』と思ってもらいたい」と気を配る。

今年、中日草加がキャッチボールを頼んできた。草加は今年の2月1日、右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切った。来年5月の実戦復帰に向け、1日もリハビリメニュー遂行を休まない。日々やるべきことに向き合う後輩の姿を目にすると、充実した1日にしてくれたんだな、と実感できる。

午前の部も午後の部もそれぞれ2時間。ソフトバンク東浜ら実績のある投手が子どもたちの打撃投手を務め、イベントを締めくくるロングティーでは阪神岡留が柵越えで大歓声を浴びた。小柄な中日田中のフルスイングに、子どもたちも大喜びだった。参加者が盛り上がるかたわらで、巨人スカウトの木佐貫洋さんや元日本ハムの糸数敬作さんがマウンドにトンボをかけていた。

「手の空いている僕らがやるのが効率がいいですから」と木佐貫さん。40代の年長のOBが、率先してグラウンドを整備していた。こういうところこそ野球部で身についたグラウンドマナー。先輩のそんな姿を見て、後輩は育っていくのだろう。【堀まどか】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

元オリックス宮崎祐樹氏(2019年6月12日撮影)
元オリックス宮崎祐樹氏(2019年6月12日撮影)

 野球をこよなく愛する日刊スポーツの記者が、その醍醐味、勝負の厳しさ、時には心が和むようなエピソードなど、さまざまな話題を届けます。

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