【楽天】辰己涼介は諦めない「どんな手使ってでもマウンドに」憧れは…三木監督は「100%野手」

  • ファンにサインする楽天辰己(撮影・鈴木みどり)
  • ファンにサインする楽天辰己(撮影・鈴木みどり)
  • オールスターで登板するオリックスのイチロー。打者はヤクルト高津(1996年7月撮影)

憧れの投手はイチロー? 楽天辰己涼介外野手(28)が2日、沖縄・金武キャンプ2日目で投手としての試合出場に執念を燃やした。1月末の契約更改で、投打二刀流を宣言。この日、三木監督は「100%野手でやってもらう」と発言したが、辰己本人に諦めるつもりはない。「トリプルスリー、1登板無失点」という目標を設定。日米で登板経験のあるイチロー氏のように、投打で輝きを放つ。

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楽天辰己が真顔で投手としての青写真を描いた。約1時間半前に三木監督から投手起用を否定する発言があったが、それで諦めるわけにはいかない。「WBCまではないとは思う」と話した上で「今シーズン、どっかでは絶対投げると僕自身は決めている。どんな手を使ってでもマウンドに登ってやろうと思う」。第3、4クールで、1度はブルペンに入るプランがあるという。

まずは野手として全力をそそぐ。三木監督は「100%野手でやってもらう」と報道陣に語ったが、辰己は「自由時間は自由時間なんで」と強調。そのタイミングで投球練習する可能性はある。「ファンの方だったり、台湾の方との約束もあったり、喜んでもらえる人がたくさんいるか分かんないですけど、一部いると思う。別に投げても恥ずかしいような球は投げないと思うし、その準備はしてきた」と自信を示した。

憧れの投手を問われると約1分間の沈黙の後、「イチローさんですかね」と言った。96年オールスターや米大リーグ・マーリンズ時代の15年に登板。「このピッチャー、かっこいいなと思った」と尊敬のまなざしを向けた。

昨季の辰己は全143試合に出場し、打率2割9分4厘、158安打で最多安打のタイトルを獲得したチームの中心打者だ。この日のフリー打撃で5本の柵越えを披露したが、投手としても潜在能力は“一流”。「平均は145(キロ)が出ると思うんですけど、マックスは多分、150(キロ)は超えてくる」。変化球もカーブ、シュート、カットボール、シンカー、チェンジアップなど多彩な球種を操ることができる。

今季掲げる目標も壮大だ。契約更改では「25勝0敗」を掲げたが、野手調整を命じられた今は非現実的。新たなターゲットには「トリプルスリーと1登板0失点というのが一番近い」。至って真面目に野球を極める。【山田愛斗】

◆イチローの登板 日本時代は96年オールスター第2戦(東京ドーム)で登板。7-3の9回2死走者なし、打者松井(巨人)の場面で右翼からマウンドへ。全セ野村監督は全パ仰木監督の起用法に「格式の高いイベントを冒涜(ぼうとく)した」と苦言を呈し、投手の高津(ヤクルト)を代打に起用。5球ストレートを投げ遊ゴロに仕留めた。最速141キロ。MLBではマーリンズ時代の15年10月5日の敵地フィリーズ戦で2-6の8回裏から自ら志願して登板。打者5人に18球(ストライク11球)を投げ、2安打1失点で最速89マイル(約143キロ)だった。

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