パリ五輪初戦を1週間後に控えた日本は、開催国フランスとの強化試合を1-1で引き分けた。

注目された日本の先発は、GK小久保玲央ブライアン、4枚のDFラインは右から関根大輝、木村誠二、高井幸大、半田陸が並んだ。中盤は1ボランチに藤田譲瑠チマ、右に山本理仁、左に三戸舜介。FWは右ウイングに平河悠、左ウイングは斉藤光毅、中央のトップが藤尾翔太となった。

対してアンリ監督に率いられたフランスは、先発メンバーに24歳以上のオーバーエージ(OA)枠のFWラカゼット(リヨン)マテタ(クリスタルパレス)ら3選手を並べた。

「格上」相手に前半16分、決定的なピンチを迎えた。スルーパスからラカゼットに抜け出される。だが左足シュートはゴール上に外れた。

劣勢に立たされた日本だが、前半25分にショートカウンターで均衡を破った。フランスがGKからボールをつなぐところを見逃さず藤尾がインターセプトを狙った。こぼれ球となったところを三戸が拾ってゴール前へと持ち込み、サポートに来た藤田にヒールで落としてスイッチ。フリーとなった藤田はエリア左から右足で流し込んだ。OA枠ゼロの若き集団がずる賢く先取点を挙げた。

その後もフランスに押し込まれながら、日本は粘り強く対応し、ボールカットすると両サイドを経由して素早く敵陣に攻め込んだ。

後半35分には左サイドで三戸が得意のドリブル突破を仕掛けた。体を入れて止めに入ったDFマテが体勢を崩し、倒れたところでボールを右手で押さえた。主審はPKの笛を鳴らした。追加点のチャンスと思われたが、VAR判定で三戸のファウルが確認されてPKは取り消された。

フランスの攻勢に遭った前半アディショナルタイムには、ゴール中央にスルーパスを入れられたが、ここはGK小久保の素早い飛び出しで防いだ。

日本は後半開始から関根、木村、藤尾をベンチに下げ、DF大畑歩夢、西尾隆矢、FW細谷真大を投入した。

後半スタートから攻め込まれ、ホイッスルから24秒でラカゼットに至近距離からシュートを打たれたが、ゴール右に外れた。安堵(あんど)したのもつかの間。後半2分、ラカゼットの落としからMFオリーズに左足のミドルシュートをたたき込まれた。早々と1-1の同点とされた。

さらに左右からのクロスを起点に波状攻撃を受けた。自陣エリア脇の「ポケット」を突かれる状況が続き、次々とシュートを浴びた。相手の決定力不足に助けられて均衡を保ったが、防戦一方となった。

一方で細谷を狙った縦パスから打開を図るが、はね返されて反撃の糸口をつかめない。後半17分には斉藤を下げてMF佐藤恵允をピッチに送る。その佐藤の力強いドリブルをチームの推進力とする狙いだが、フランスのDFラインは堅い。

後半22分には速い展開から細谷につなぎ、落としから佐藤がゴール前へと持ち込んだが素早いタックルにあえなく潰された。

後半27分には山本に代えて川崎颯太を起用。同28分には右サイドからゴール前に決定的なクロスボールを送られたが、中に絞った左サイドバックの大畑が足を伸ばして球際でクリアした。状況は変わらず劣勢が続く。

後半36分にはカウンターから1対1となる決定的なピンチを迎えたが、守護神・小久保がタイミング良く前に出てシュートブロック。勝ち越し点を与えなかった。結局スコアは動かず、1-1の引き分けで本番直前の最終戦を終えた。

パリ五輪の1次リーグD組を戦う日本は、24日(日本時間25日午前2時)の初戦で南米予選1位のパラグアイと対戦。続けて27日(同28日午前4時)にマリ、30日(同31日午前4時)にイスラエルと戦う。