【西武村田怜音】左膝後十字靭帯損傷…メヒア級「99」ガリバーの復帰待つ/連載35

西武のドラフト6位ルーキー村田怜音内野手(22)が、5月11日楽天戦(ベルーナドーム)で1軍初昇格を果たしました。即スタメン起用されると、第1打席でバットを折りながらプロ初安打を記録。同14日の日本ハム戦(エスコン)では、昨季2ケタ勝利の山崎からの適時打でプロ初打点をマークしました。イースタン・リーグでは4月27日DeNA戦、カーミニークの左中間スコアボードを超える超特大弾を放ち話題に。196センチ、110キロの巨体から「レオのガリバー」の異名をとるルーキーが、昇格前の4月下旬、自身を作り上げてきた地元での環境や、巨体とは裏腹な意外な性格、海まで打球を飛ばした「村田伝説」、そして入団時に双子の妹へ残した衝撃のプレゼントを明かしてくれました。

15日の日本ハム戦で守備時に負傷。左膝後十字靭帯損傷で長期離脱を余儀なくされました。復帰を心待ちに、取材をそのまま配信します。

プロ野球

◆村田怜音(むらた・れおん)2001年(平13)8月4日、三重県生まれ。小学3年から野球を始める。中学時代は軟式野球部に所属し全国大会出場。相可では1年秋から主力も、県大会3回戦が最高成績。高校通算25本塁打。皇学館大では1年秋からリーグ戦出場。3年秋、4年春にMVP。23年ドラフト6位で西武入団。196センチ、110キロ。右投げ右打ち。中日の岡林勇希は小中学校の同期。今季推定年俸700万円。

打球を追って防護網に激突した西武村田

打球を追って防護網に激突した西武村田

超特大弾「1、2を争うぐらいの打球」

――4月27日に2軍戦で初ホームランも出ましたね

2軍に参加させてもらう機会をいただいたので、22日(楽天戦)に初ヒットが出て。その日(初ホームランの日)もなんとか1本、ヒット打てたらいいなというか、良い結果出せたら良いなっていう感じで。

自分のスイングをしようって心がけて打席に入ったんですけど。だから、ホームラン狙ってて打ったっていうよりかは、結果的にホームランになったっていう感じなんですけど。でも、1本出てホッとはしました。

――左中間のスコアボードを越える特大弾でしたね

会心に近いくらいの当たりだったんで。大学の時でもあったかなかったか。1、2を争うぐらいの打球だったんですけど。やっぱりプロに入っての1本目は大きいですね。

――1、2を争う打球のもう1本はいつのホームランですか

大学時代は「海まで行ったって」弾

(大学時代)霞ケ浦球場の第3野球場でやった時に。普通にスタンドがあって、その奥に防球ネット、その奥に道路があって、その向こうが海なんです。その海ぐらいまで飛んだっていう話を、自分は(着弾点を)見てないけど、なんか周りの人から聞いた話によると、海まで行ったって。

それぐらいのあたりまで飛んでいたみたいです。推定だと150メートルくらいですかね。

――SNSでもすごい反響がありました

見ました。Xが多分一番反響いただいて、自分もXやってて。ホームラン打った時のボールをツイートしたりして、それに反応いただいたりとか結構見ましたけど、うれしいですね。

「数字が全て物語ってる」

――ここまでのプロ生活はどう感じていますか

そうですね、キャンプは初めてのことばっかりで。全然わかんなくて、自分のプレーっていうか、全然やりたいことができなかったというか、状態も全然良くなくて。あんまり自分の良いところを見てもらえなかったんですけど。

こっち(所沢)帰ってきて、ちょっと一段落して。3軍で練習の機会が増えたので、その時間を使って、打撃コーチの方と結構色々バッティングのことを考えたりとか、自分の理想のスイングってどんなんなんだろうみたいな話をして。

それにどうやって近づけていけば良いかっていうのを考えて、1カ月ちょっとやってきた結果が、ようやくというか、少しずつ形になってきたのかなっていう。全然初期段階なんですけど、ちょっとずつ、ちょっとずつ、形にはなってきてると思いますね。

――かなりメカニック的な部分になりますね

そうです、メカニックス系ですね、どっちかっていうと。数字が全て物語ってると思ってて。

打球速度とかスイング速度って、なんていうんですかね、うそがないじゃないですか、数字だったら。打球速度が170キロ出せたら、正面に飛んでも、もしかしたらヒットになるかもしれないですし。スイングスピードが160キロとか170キロ出たら、当たっただけでホームランになるかもしれないしっていうので。

打球速度に今ちょっとこだわってやってるところで。練習ではそうですね、バッティング練習って(打つ)数が多いんで、ミスショットしたら平均値がどんどん下がっていくんですけど。平均をなるべく高く持っていって、最大値との差をなくしていきたいのが、今練習で意識してます。

――いま打球速度はどれくらい出ていますか

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野球

黒須亮Ryo Kurosu

Tokyo

1998年5月、茨城県古河市出身。23年入社。古河三高から2浪の末、「おもしろそうだから」という理由で出願した立大文学部キリスト教学科に入学できた。ゼミは「キリスト教音楽論」。立大野球部ではDeNA中川颯投手が2学年上、楽天荘司康誠投手が同期。リーグ戦出場には遠く及ばなかったが、現在プロや社会人野球で活躍されている選手やマネジャーと過ごした4年間は貴重な時間だった。趣味は母がオペラ歌手だった影響から舞台観劇。また、幼少期からMLBが大好き。24年5月にドジャース大谷翔平投手と同じマットレスを購入するなど、とりあえず形から入る。