【中日涌井秀章】優勝以外は「活躍できてもできなくても選手全員の責任」/連載129

中日涌井秀章投手(38)が、プロ20年目のシーズンを3勝5敗、防御率3・07で終えました。開幕ローテーション入りし、3試合連続で無失点に抑える好スタートを切りましたが、7月13日の阪神戦で右広背筋を肉離れし、約2カ月間離脱。9月に復帰したものの16試合の登板に終わり、チームは3年連続で最下位に終わりました。チームが低迷した責任を背負いながら、雪辱に燃える来シーズンへと目を向けます。

プロ野球

◆涌井秀章(わくい・ひであき)1986年(昭61)6月21日、千葉県松戸市生まれ。横浜高では2年春にセンバツ準V。04年ドラフト1巡目で西武入団。13年オフにFAでロッテ移籍。19年オフに金銭トレードで楽天移籍。22年オフに阿部寿樹とのトレードで中日移籍。最多勝利4度(07、09、15、20年)沢村賞(09年)ゴールデングラブ賞4度(09、10、15、16年)。08年北京五輪、09、13年WBC日本代表。16年にモデルの押切もえと結婚。プロ通算505試合に登板し、162勝161敗、防御率3・57。185センチ、85キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億円。

今季は通算500試合登板達成

今季は通算500試合登板達成

「去年の方がいいストレート」

中日は10月6日のDeNA戦(バンテリンドーム)で、2024年シーズンの戦いが終了した。涌井は試合開始前、通算500試合登板の連盟表彰を受け、両チーム関係者、スタンドから大きな拍手を浴びた。また新たな記録を達成したが、喜びよりも、その日でシーズンが終わる寂しさ、悔しさが込み上げた。

その2週間前の9月22日の広島戦、6回を3安打1失点の好投で今季3勝目を挙げた。その時点で、残りは6試合。通常なら訪れるはずの先発マウンドは、もうなかった。すでにBクラスが決定。チームはタイトル争いを繰り広げる投手、来季の活躍が期待される若手の起用へとシフトし、1軍に同行しながら、トレーニングに専念した。

涌井は、20年目のシーズンをどのように振り返るのだろうか。単刀直入に聞くと、いつものように冷静に答えた。

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兵庫県出身。報徳学園、関大を経て、2007年に日刊スポーツに入社。
野球部に配属され、同年12月までアマチュア野球担当、 2008年から11年まで1期目の巨人担当、2012~13年まで西武担当(2013年はWBC担当)、2014~16年まで2期目の巨人担当、 2017~18年までアマチュア野球担当、2019~20年まで3期目の巨人担当、2021年は遊軍、2022年からDeNA担当。
身長169・5センチ、体重58~63キロをいったりきたり。