【大田泰示引退会見全文】背番55「人生経験浅い僕がその期待に応えようとしすぎた」

今季限りで現役を引退した大田泰示外野手(34)が18日、横浜市内の球団事務所で会見を行いました。

東海大相模から、08年ドラフト1位で巨人に入団。日本ハム、DeNAと3球団を渡り歩き、プロ16年間で通算907試合、718安打、84本塁打、343打点をマークしました。

会見では、松井秀喜氏の背番号「55」を受け継いだ重圧や苦悩、日本ハムでの飛躍、東海大相模時代から慣れ親しんだ神奈川、家族、現役を続ける同世代、ファンへの思いなど約35分間、語りました。大田泰示ファン必見の会見全文をお届けします。

プロ野球

◆大田泰示(おおた・たいし)1990年(平2)6月9日生まれ、広島県福山市出身。東海大相模では甲子園出場なしも、高校通算65本塁打。08年ドラフト1位で巨人入団。09~13年は松井秀喜氏の背番号55を継承。14年9月27日DeNA戦で巨人史上81代目4番打者を務めた。16年オフ、吉川光夫、石川慎吾との2対2トレードで公文克彦とともに日本ハム移籍。20年ゴールデングラブ賞。21年オフに自由契約になり、DeNA移籍。188センチ、96キロ。右投げ右打ち。

横浜スタジアムは特別

横浜スタジアムは特別

「戦力外報道出て1カ月…違う道を選択しなければ」

―最初に、大田選手から一言

本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。

そして、横浜DeNAベイスターズの日本一おめでとうございます。

あと、記者の皆さん、シーズンお疲れさまでした。16年間のプロ野球生活を引退する決断をしましたので、ご報告をしに来ました。16年間ありがとうございました。

―引退を決断して、今の率直な気持ちを

プロに入ってからいろんなことありましたけど、ジャイアンツで8年やって、ファイターズに移籍して5年、そして、ベイスターズで3年。

まだまだ野球をやりたいという気持ちはありますけど、プロ野球選手っていう、もう本当に厳しくて、やれる環境がなければプレーすることできないので、そこもしっかり受け止めて、いつかは来ることなので、また違う新たなステージに向かっていくことを決断して、今はもう悔いとか後悔っていうのはありません。

―決断したタイミングと相談した相手は

本当にいろんな方に相談させてもらいましたし、ジャイアンツの先輩方であったり、ファイターズの同僚であったり、またベイスターズの仲間たちといろんな話をして。

現役を続ける気持ちはありましたけど、人生長いので、このプロ野球選手っていう時間は僕の中では貴重な経験だったっていうのはすごく思うので。

オファーがなければ次のステージに向かうっていう気持ちはずっと持ってたので。

11月に入って、戦力外の報道が出てから1カ月過ぎて、1カ月ちょっと待ってなければそこを視野に入れなきゃいけないなというふうには自分の中で感じてたんで、そういうふうなことが現実的に起こって、違う道に歩んでいくことを選択しなければいけないなと自分の中で感じたので、家族と話して決断しました。

08年、巨人ファンフェスタで背番号55を披露

08年、巨人ファンフェスタで背番号55を披露

巨人時代「くすぶってる中も熱心に指導」

―巨人に入団されてから今日までの16年間、改めて振り返って

本当にまず一番大きかったなっていうのは、いろんな人に出会えて、その出会えた方々がすごくいい人、また自分に熱心に指導してくださったり、たわいもない話とか、ほんとに野球以外のところでも、自分としっかり向き合ってくれた方々が多かったなっていうのはまず率直に思いますし、ドラフト1位で入団して55番をつけさせてもらったっていうことも、自分の中ではすごくいろんな意味でいい経験になりましたし、くすぶってる中もジャイアンツのコーチ、監督の方々には本当に熱心に指導していただいて、その指導のおかげで移籍したファイターズで、4シーズンではありますけど、レギュラーとして規定打席に立てた。

それは自分の中で大きなターニングポイントだったと思いますし、また栗山監督に出会い、野球を楽しむことができましたし、その経験をもとにベイスターズに移籍して、東海大相模で慣れ親しんだ横浜スタジアムでプレーできたことっていうのは、野球人生の中でもすごく大きな1ページになりましたし、その中でファンの方、チームメート、皆さんが温かく受け入れてくれて、多大なご声援をいただいたことは本当に感謝しています。

なので、16年間やれたのは本当に携わってきてくれた方々のおかげだと思うので、感謝しかありません。

―16年間を振り返って、最も印象に残っている試合、シーンは

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兵庫県出身。報徳学園、関大を経て、2007年に日刊スポーツに入社。
野球部に配属され、同年12月までアマチュア野球担当、 2008年から11年まで1期目の巨人担当、2012~13年まで西武担当(2013年はWBC担当)、2014~16年まで2期目の巨人担当、 2017~18年までアマチュア野球担当、2019~20年まで3期目の巨人担当、2021年は遊軍、2022年からDeNA担当。
身長169・5センチ、体重58~63キロをいったりきたり。