<第89回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根-東京(5区間109・9キロ)
青学大の高橋宗司(2年)が、初の箱根路で区間賞に輝いた。向かい風をものともせず淡々と足を進め、1時間6分46秒。昨年の2区出岐に続く同校史上2つ目だ。部内でも地味な存在という高橋は「奇跡が起きてしまいました」とびっくり。原監督は「たいしたもんだ」とたたえた。
沿道で見守った母千賀子さん(51)は、姉沙織さんの遺影を持って応援した。一昨年3月の東日本大震災で宮城・東松島市野蒜(のびる)地区にある実家は津波に襲われ、沙織さんは22歳で亡くなった。中距離選手だった姉の影響で陸上を始め、箱根を意識し始めたのも高3の時に一緒にテレビを見たことから。それだけに「お姉ちゃんが可能性をつくってくれた」と亡き姉への思いをめぐらせた。
ただ、悔いも残った。区間賞こそ取ったが、順位を上げられず総合8位止まり。「来年はチームに貢献できる走りを」。さらなる飛躍を誓った。【高場泉穂】