全日本実業団対抗女子駅伝は12月13日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロで行われる。3連覇を狙う女王デンソー、予選会トップで実力者のそろうユニバーサルエンターテインメント、エース西原加純を擁するヤマダ電機の3チームを軸にレースは展開しそうだ。

【1区(7・0キロ)】上り下りが何度も続く難コース。2年連続で区間賞を取っている森唯我(ヤマダ電機)が、今年も後半で積極的な仕掛けを見せるだろう。対抗できるのは天満屋の小原怜、第一生命の田中華絵(または上原美幸)、デンソーの光延友希ら。積水化学の桑原彩、三井住友海上の野田沙織の大卒1年目の2人も上り調子。ベテランの宮内宏子(ホクレン)も健在だ。豊田自動織機も今季5000メートルで記録を伸ばしている選手が多く、上位でタスキをつなぐだろう。

【2区(3・9キロ)】世界陸上代表の尾西美咲(積水化学)、予選会区間賞のユニバーサルエンターテインメント木村友香、3連覇を狙うデンソーの小泉直子が注目選手。前記3チームがこの区間でトップに立つ可能性がある。積水化学は3区に予定されている松崎璃子が中距離から距離を延ばしている途中の選手なので最低でも先頭集団には入りたい。

【3区(10・9キロ)】最長区間に各チームのエースがそろう。ヤマダ電機の西原と、デンソーの高島由香の北京世界陸上1万メートル代表同士の先頭争いになるか。昨年は2区に回った西原も今季は万全。前回は高島が区間新でデンソーが独走態勢を築いたが、今年は同学年の2人が競り合うシーンが見られそうだ。積水化学の松崎璃子、九電工の宮崎悠香、第一生命の上原美幸ら若手選手が起用された場合、駅伝経験では劣るので1人になるよりも先頭集団に入ってレースを進めたい。ユニバーサルエンターテインメント鷲見梓沙、豊田自動織機の沼田未知は逆に1人でもどんどん前に行きそうな選手だ。後方から追い上げを見せるのがJP日本郵政グループの鈴木亜由子と、ワコールの福士加代子。何人のごぼう抜きを見せるかが注目される。

【4区(3・6キロ)】コース最短区間で、外国人選手の起用が認められている。ワイリムが走るデンソー、ワンジュグを擁するユニバーサルエンターテインメントが20秒程度のビハインドなら逆転してトップに立つ可能性がある。

【5区(10・0キロ)】ヤマダ電機の竹地志帆、ダイハツの前田彩里、ユニバーサルエンターテインメントの和久夢来、デンソーの水口侑子、天満屋の重友梨佐といった実力者が顔をそろえそう。向かい風が強いので逆転が難しく、どのチームも前半で作ったリードを守る戦略になる。今季の状態では竹地が最も良く、競り合いになったら後半で抜け出すか。大逆転があるとすれば今夏の世界陸上マラソン代表の前田と重友で、1人でも突っ走ることができるタイプだ。

【6区(6・795キロ)】各チームの選手層の厚さが問われる区間。デンソーは前回大会の優勝テープを切った石橋麻衣が故障で間に合わないため岡未友紀もしくは橋本奈海の起用が濃厚。それに対してヤマダ電機は前回区間賞の筒井咲帆、ユニバーサルエンターテインメントは2年前に区間賞を獲得した中村萌乃がこの区間を任される予定。アンカーで三つ巴決戦になる可能性もある。

※正式な出場区間はレース前日の区間エントリーで最終決定します。