陸上の世界選手権男子マラソン代表で18位に終わった、「公務員ランナー」の川内優輝(24=埼玉県庁)が、異例の2段階方式で12年ロンドン五輪代表に挑む。同選手権の日本代表が5日、成田空港に帰国。五輪選考レースとなる12月の福岡国際、来年2月の東京国際に出場を予定している川内は「福岡では順位よりタイム、東京ではタイムより順位を狙いたい」と話した。
世界選手権では団体で銀メダルを獲得したが、個人では目標の入賞に遠く及ばず「もっと能力の底上げをしないとダメ」と痛感したという。そこで好記録の出やすい福岡では「世界の強豪と戦いたい」と順位よりも思い切って2時間8分37秒の自己ベスト更新を狙う。そしてタイムで自信をつけた暁には、東京では順位を重視して五輪代表を勝ち取る計画だ。今日6日からは、再び春日部高定時制の職に戻る。「今日までは代表の川内。明日からは“ただ”の川内です」。今度は、公務員ランナーに五輪の舞台が待っている。