新しい学び
日本学生選手権が終わり、「女性エリートコーチ育成プログラム」の研修に参加した。
スポーツ庁の委託を受けて日体大が開催した、このプロジェクトは、女性アスリートがナショナルコーチになるための育成をサポートするもので、さまざまな競技の女性コーチが集って学習していく。
今回は2~3日の研修だった。
まず私は、自身の考えを言葉にし、相手へ簡潔に伝えることの難しさに直面した。
『何度も同じ言葉を繰り返している』。
そう指摘してくださった方がいた。普段、学生にもこのように話してしまっているのではないか、私の話は学生にどのくらい伝わっていたのかが不安になった。
その気づきから、簡潔に言いたいことを限られた時間の中で伝える練習を重ねた。
特に感じたのは時間の使い方だった。普段、私たちは学生に話をするときに特に時間は決められていない。どちらかというと、伝えたいことが言えたかということが重要だ。
しかし、そのせいで時間を忘れ、つい長々と話してしまっているのかもしれない。
そう感じた私は短い時間を設定し(1~2分)、最初に結論を話す、口癖が話の邪魔をしないようにする、といったことを意識し、聞き手に重要なことが伝わるように工夫した。
コーチングにとって、コミュニケーションが選手との関係を良好にする1つのツールであると考えるので、コーチだけが発信して満足してはならない。選手がそれを理解し、落とし込んで初めて伝える作業になる。
それを上手に積み上げることが信頼になっていく。
その作業が円滑に進むことで、これから冬場の強化期間を非常に効率よく過ごせるだろうと思う。
普段の現場では気づけないことに気づき、すぐに改善し、さらにそれを評価してくれる現場があるこのプロジェクトは、指導1年目の私にとって失敗を恐れることなく学べる場所だ。
先日、島根・出雲大社へ観光に行った。出雲大社はご縁の神様がまつられている。
日本学生選手権、国体と夏の試合が終わり、いよいよ新しいシーズンが始まる。
そのタイミングで新しいプロジェクトを受講して、自分の改善点に気づけた。
必要なタイミングで必要な課題が巡ってくる。
これもご縁だと感じる。
どんな課題も自分のために、選手のために向き合っていきたい。そう誓って、新シーズンのスタートが切れることを幸せに思う。