<全国高校駅伝男子>◇25日◇京都・西京極陸上競技場発着(7区間42・195キロ)◇47校
男子は3年連続6度目出場の浜松日体(静岡)が2時間6分7秒で7位に入り、チームとして初入賞を果たした。静岡県勢の入賞は93年の浜松商(2位)以来18年ぶり。4区の藤井寛之(3年)が区間5位、6区の田中孝貴(3年)が区間3位の快走で入賞圏内に入ると、アンカーの江頭賢太郎(2年)がトラックで競り勝ち入賞争いを制した。
入賞争いはトラック勝負だった。鳥栖工(佐賀)と東農大二(群馬)と競りながら競技場に戻ってきた浜松日体アンカー江頭の目に、1区の荻野真之介(3年)が大声で声援を送っている姿が飛び込んできた。宿舎の同部屋で、直前の本コース試走の際、ともに足腰の守護神・護王神社にお守りを買いに行った憧れの先輩だ。「ここで負けたら3年生に申し訳ない。意地を出した」。トラックで鳥栖工を突き放し、東農大二も振り切って7位でゴール。荻野は目に涙を浮かべて後輩を出迎えた。
決戦前夜、2年前に7区を走った荻野は江頭に「後半は下り坂。前半は落ち着いて入れ」とアドバイスした。江頭は「2キロ過ぎで集団に追い付いて、途中は前の選手を風よけにしたりした。ラスト1キロで前に出た。先輩のアドバイスが効いた」。余力を残していたことがラストスパートにつながった。
過去最高だった12位から大きくジャンプアップした鈴木博之監督(45)は「江頭は競るといつも負けてたけど今回は勝ちましたね。そこが予想外だった。今日は全員、合格です」と目を細めた。荻野は「3年間の大きな集大成になった」と喜び、来年のチームを背負う江頭も「これがゴールではなくスタート。来年は、この記録を超えるつもりで高みを目指す」と飛躍を誓った。【岩田千代巳】