<高校ラグビー:東海大仰星19-14桐蔭学園>◇決勝◇7日◇花園
出し切った。優勝まで1トライ差。念願の単独優勝には、さらに1Gが足りなかった。しかし、桐蔭学園(神奈川)のフィフティーンに悔いはなかった。藤原監督も「桐蔭らしさを出してやり続けた。決勝戦だから100点です」と、敗退にも満点をつけた。
今季目標にした継続ラグビーにこだわった。自陣からもキックをせず、FWとBKで連係し、ボールを保持した。SO横山主将は「自分らがボールを持った方が強いと判断した」。しかし後半、細かなミスが出て、そこを相手に突かれた。
前半1分。自陣22メートルライン付近でパスをインターセプトされ、先制された。24分に追いつくまで、ボールは保持した。だが、自陣にくぎ付けにされた。継続にこだわった空白の23分。藤原監督は「みんなが賛同したこと」と納得していた。
ノーサイドの瞬間、横山主将に涙はなかった。後半、タックルされ「ブチっといった」と、右ひざの前十字靱帯(じんたい)をやられたという。それでも立ち上がり、プレーに参加。「監督を胴上げできなかったことが悔しい」。耐えていた気持ちが切れた。その瞬間、大粒の涙がこぼれた。【吉松忠弘】