<バレーボール:全日本高校選手権:古川学園3-0共栄学園>◇4日目◇男女準決勝◇8日◇東京体育館
古川学園(宮城)が昨年の高校総体、国体に続く「全国高校3冠」達成に王手をかけた。高さを生かしたブロック力で共栄学園(東京)に完勝。初戦から4戦連続のストレート勝ちで、前回3冠達成の99年以来6度目の決勝進出を決めた。今日9日の決勝で、東九州龍谷(大分)の3連覇を阻み、通算13度目の全国タイトルを奪取する。
圧倒的な強さを見せつけた。古川学園センター芦野真未(2年)が開始早々、全日本ユース代表の相手エース堀川の右アタックを2枚ブロックで止めて先制。出だしから6連続得点の起爆剤になり、相手の出ばなをくじいた。セットポイントでは双子の大野果歩、果奈姉妹(3年)の“ミラーブロック”もさく裂。相手の倍以上のブロック11得点に、岡崎典生監督(42)は「最初からブロックが機能し、最高の滑り出し」と12点差で先取した第1セットを振り返った。あとは勢いに乗って突っ走るだけだった。
サーブでも両チーム最多タイの効果8本とサーブレシーブ11本を成功させた芦野は、3年連続準Vに泣いた昨年の全国選抜大会後にレギュラー入りした選手。昨年の選抜決勝は出場機会がなく、東九州龍谷に3年連続敗退と二重の悔しさを味わった。プレミアリーグのパイオニアに在籍する姉の李沙(20)からは大会前、電話で「持っている力を出し切って」と激励を受けた。「先輩にすごいアタッカーがそろっているので、ブロックやレシーブでチームに貢献したい」と3冠達成に闘志を燃やした。
先発アタッカー5人全員がバックアタックを披露。対角レフトの山田美花(2年)も両チーム最高のアタック決定率52・4%で計13得点(ブロック2得点)とチーム全体が躍動。高校公式戦負けなしが続く。
決勝の相手は09年高校3冠の東九州龍谷に決まった。昨年の千葉国体の決勝はフルセットで逆転勝ちした。だが、“春高バレー”で3年連続決勝敗退の借りはまだ返していない。岡崎監督にとっても日体大で同期だった相原監督との因縁の同門対決。高速コンビバレー対策に抜かりはない。岡崎監督は「(昨年まで)春が来ていなかったような気がする。3冠というより、春高バレーで日本一になることが目標。今年こそ本当の春を迎えたい」と決勝のオレンジコートを見据えた。【佐々木雄高】