11月に行われた明治神宮大会(神宮)の高校の部は、関東王者の横浜(神奈川)の優勝で幕を下ろした。23日の準決勝では近畿王者の東洋大姫路(兵庫)が横浜を延長11回タイブレークまで追い詰めたが、1-3で惜敗した。2時間33分に及んだ投手戦による死闘の中では、ともにエースナンバーを背負う2人の旧友が再会を果たし、大舞台での対戦を楽しんでいた。
東洋大姫路の右腕、阪下漣投手(2年)と横浜の左腕、奥村頼人投手(2年)は中学時代にボーイズリーグの関西選抜でチームメートだった。阪下は兵庫西宮ボーイズ、奥村頼は滋賀野洲ボーイズに所属していた。今回の決戦ではともに先発。阪下は11回3失点、奥村頼は5回無失点から中継ぎを挟んで延長10回から再登板し、計9回を投げ無失点とそろって好投した。
投げ合いでは互角の戦いをみせるも、打席では明暗が分かれた。阪下は5回1死で左腕から右前打を放ったが、延長10回1死満塁のチャンスでは空振り三振に倒れた。一方、奥村頼は4打席凡退で迎えた延長11回、1点を勝ち越した直後の2死三塁から左前へのタイムリーを放ち、そのまま横浜が2点差で逃げ切った。
阪下は試合後、敗戦の悔しさをかみしめながらも「対決をすごく楽しみにしていて、一番いい場面で対戦できてすごく楽しかったです。お互いいいところ出せて、いい成長っぷりを見せれたんじゃないかな」と充実の表情を浮かべていた。「(奥村頼は)中学校の時からずばぬけていてすごかった。打席に立ったのは初めてですけど、球のキレがすごかった」と脱帽した。
秋の全国制覇は横浜に譲る形となったが、このままではいられない。両校ともに来春のセンバツ出場の当確ランプをともしているだけに、阪下は「できればセンバツの決勝戦でもう1回当たって、もっといい試合をしたい。選抜でリベンジしたいです」。今回の対決は互いのモチベーションの1つとなり、オフ期間での成長を経て、聖地でさらにハイレベルな戦いをみせてくれることだろう。【アマチュア野球担当=古財稜明】