監督する映画「追想ジャーニー リエナクト」が絶賛上映中だ。今月18日に公開後、19日と20日は東京と関西で6カ所計7回の舞台あいさつを行い、いずれも大盛況だった。ミニシアターランキングでも4位に入り、目指せ「侍タイムスリッパ-」と頑張っております。お近くの方はぜひご鑑賞ください。
そこでまず事務所のカラーの話。アイドルやアーティストが中心であったり、俳優でいえば主役級ばかりの事務所もあれば、バイプーヤーが多数所属している事務所など多岐にわたる。恒例のサッカーに例えると、パスやドリブルが得意なテクニシャン中心であったり、体格がよくフィジカル重視だったりといったところだろうか。チームは戦術(作品)に合わせて選手を獲得していく。
キャスティングする側としては、事務所にわかりやすいカラーがあるほうがオファーしやすい。例えば、オファーした俳優のスケジュールが合わなくても代わりに同じタイプの俳優を提案してくれる。カラーがはっきりすればするほど無駄が省け、スムーズなやりとりが可能となる。なので、これから事務所所属を目指す若者には、自分が入りたい事務所よりも、自分に合っている事務所を探すようにとアドバイスしている。
そこで今回紹介したいのは「追想ジャーニー リエナクト」に出演している新谷ゆづみ。唯一の女性キャストで、20代から50代と物語の中でさまざまな年代を演じる。難しい役どころだがどの年代もうまくはまっており、見た人からかなり好評である。21歳ながら芸歴は10年となり、しっかりとしたキャリアを重ねているからこそ、若くして演じ切れたのだと思う。ちなみに今年公開の映画だけでも7本に出演、ブレイク必須の女優さんだといっていいだろう。
所属している事務所はアミューズ。アーティストや男性俳優の印象が強いが、最近では今クールのドラマ「マイダイアリー」主演の清原果耶はじめ、「ゴールデンカムイ」の山田杏奈、ドラマ「若草物語」主演の堀田真由などの人気若手女優が多数名を連ねる。強烈な個性というよりは、親しみやすく役の幅も広く、いずれも演技派といっていいだろう。また、いずれも10代から着実にキャリアを重ねブレイクしている。今後、新谷が彼女たちに続く日も近いだろう。これからの活躍に期待です。
◆谷健二(たに・けんじ)1976年(昭51)、京都府出身。大学でデザインを専攻後、映画の世界を夢見て上京。多数の自主映画に携わる。その後、広告代理店に勤め、約9年間自動車会社のウェブマーケティングを担当。14年に映画「リュウセイ」の監督を機にフリーとなる。映画以外にもCMやドラマ、舞台演出に映画本の出版など多岐にわたって活動中。また、カレー好きが高じて南青山でカレー&バーも経営している。最近では映画「その恋、自販機で買えますか?」「映画 政見放送」、10月18日には映画「追想ジャーニー リエナクト」が公開。