4月1日にスタートするNHK連続テレビ小説「なつぞら」に関し、木田幸紀放送総局長が定例会見で語った言葉です。総局長という立場上、新番組を絶賛するのは当然ですが、私自身、第1週分を試写してまったく同じ感想を持ったので、総局長の興奮を共感して聞きました。
「なつぞら」は、戦災孤児として北海道・十勝の酪農一家に引き取られた女の子、奥原なつが、草創期のアニメ業界でアニメーターとして成長していく物語。朝ドラ100作目の記念作です。
すでにPR番組などで公開されている通り、作品の幕開けは初夏の十勝の雄大な風景。ドローンで空撮した大地が広々と気持ち良く、緑の丘で絵を描くヒロインの未来と可能性がダイナミックに伝わってきます。透明感や可憐さはもちろんですが、根底にある開拓者精神や意志の強さを広瀬さんが端正に表現していて、舞台が十勝である意味がよく分かるのです。
2週まで、子役の粟野咲莉さん(8)が演じる子ども時代ですが、彼女もまた、十勝の風景にばっちりなじんでいます。戦災孤児という主人公の身の上を、時にたくましく、時に折れそうに演じ、引き取られた柴田家でのけなげで聡明(そうめい)な奮闘に、試写室も「泣ける朝ドラだ」と涙する人多数。咲莉さんがなつというキャラクターの土台を生き生きと作り上げているのも、広瀬さんの説得力につながっていると感じます。
ここでは書けない演出も含め、1話はかなりのインパクトと見ごたえがありました。もちろん、総局長お墨付きの美しい風景もそのひとつ。100作目のスケール感を、本放送でもしっかり見たいと思います。
【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)