石原さとみ(29)が「第19回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」の主演女優賞を受賞した。昨年10月期のフジテレビ系「5→9(5時から9時まで)~私に恋したお坊さん」で、山下智久(31)演じる奇妙な僧侶らとの恋愛模様をコミカルかつキュートに演じた。今作で助演男優賞を受賞した山下とダブル受賞となった。

 女優人生で何度も手にしたトロフィーも、石原にとって今回は格別の思いだった。投票では、NHK連続テレビ小説「あさが来た」の波瑠との一騎打ちを制しての主演女優賞。「月9で初めて主演させていただいた『5→9』で、賞をいただけたのが、すごくうれしい」と喜んだ。

 仕事でニューヨークに行く夢を抱く英会話講師・潤子を演じた。「自分もニューヨークが大好きで住みたいと思っていたし、結婚とか仕事も普通の女の子と一緒に悩んでいた。共通の部分が多かった」。一方で、周囲のむちゃな言動に突っ込みを入れるコミカルな芝居も多く、「その影響で普段から突っ込むようになりました」と明かした。

 中でも、少し世間と感覚がズレた僧侶を演じた山下とのコンビは絶妙だった。「山下さんは間といい、笑いのセンスといい、言い方といい、最高でした。『普通の人が言ったらダメ』というせりふも、成立させてしまう顔と生き方とアイドル性。山下さん以外ありえなかった」と感謝した。

 最近は月9ドラマの視聴率低下が話題になることも多いが、文句なしに出演を決めた。「私は月9で育ったドラマっ子。タイミングは関係なかったです。それぐらい月9に思い入れが強かった」。「ラブジェネレーション」や「Over Time」など、好きな作品は挙げればきりがない。「月9愛」で演じきった。

 手作り感あふれる現場が好きだったとも。「プロデューサーは私の1歳下の女の子。役者陣もアドリブを工夫したり、一緒に作り上げる感じがして、みんながより良くしようと同じ方向を向いていた。めちゃくちゃ幸せでした」。仲間たちと絆を深めた、忘れられない作品になった。【森本隆】

 ◆石原(いしはら)さとみ 1986年(昭61)12月24日、東京都生まれ。02年、ホリプロスカウトキャラバンでグランプリを獲得。03年、映画「わたしのグランパ」で日刊スポーツ映画大賞新人賞を受賞するなど、新人賞を総なめ。同年、NHK「窓を開けたら」でドラマ初出演。昨年、「世界で最も美しい顔100人」の19位に入るなど、3年連続ランクイン。157センチ、血液型A。

 ◆「5→9~私に恋したお坊さん」 相原実貴氏原作の人気漫画のドラマ化。ニューヨークで働く夢を持つ英会話学校講師の桜庭潤子(石原さとみ)はある日、両親の勧めで僧侶の星川高嶺(山下智久)と見合いすることに。上から目線で奇妙な感性を持つ星川を最初は毛嫌いしていたが、いちずな思いに心がほぐれていく。学校の上司清宮(田中圭)、大学の同級生三嶋(古川雄輝)ら、複数の男性からの求愛に、心は揺れ動く。ほか高梨臨、速水もこみちらが出演。