内田理央(27)が「第22回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」助演女優賞に輝いた。テレビ朝日系18年4月期「おっさんずラブ」の荒井ちず役で、田中圭演じる春田創一に思いを寄せつつ、おっさんずの恋の応援もする幼なじみを熱演。ドラマGPに限らず、演技を評価されての受賞自体初となる内田は「初めてお芝居が心から楽しいって思えた」と、女優人生の新境地を迎えたことを喜んだ。

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「びっくりマンボー!!」。内田は明るく叫ぶと「世間を騒がせた作品と実感はしていたんですけど、自分が頂けるとは思ってなかった」と初受賞を喜んだ。

役作りには好きなアニメや漫画が助けになった。「当てウマ女の子キャラというBL(ボーイズラブ)モノで嫌われちゃうパターンにしたくなかった。ちずの人生も応援してもらえるよう意識しました」。邪魔者にならないよう気遣った。

アドリブの多さが「すごく新鮮だった」と振り返る。「春田(田中圭)への文句を(林)遣都君と橋の上で叫ぶシーンは基本アドリブ。『足長すぎなんだよ、春田のくせに』とか。春田に『結婚ってさ、何?』と聞かれる場面も、台本はそこで終わりなのにカメラがまわっている。答え言わなきゃいけないから『知らん』って言ったら普通に、でも大事に使われました」。

女優としての自覚を刺激された。「今までは応えなきゃ、頑張らなきゃという思いが強かったけど、初めて心から楽しいと思える作品に出合えた。感謝してます」と思い入れは強い。

1度は女優をあきらめかけた。「もともとグラビアアイドルでお芝居を始めるのが遅かった。納得できる仕事がなかったら辞めようと思っていた時に決まった(14年)仮面ライダードライブから人生変わりました」。今は日本テレビ系「向かいのバズる家族」(木曜午後11時59分)に主演。「すごく楽しくやってます。おっさんずラブのおかげ」。NGだったダンスを解禁し、なまはげをかぶってボイスチェンジャー越しに叫ぶ。「主演をやりたいと思う性格じゃなかったけど、おっさんずのみんなに背中をたたいてもらいました」。今もグループLINEでつながる仲間に感謝した。

令和もボーダーレスに生きる。「モデル、グラビア、お芝居。どれかに決めなきゃいけない時代ではない気がします。全部やりたいから全部自信を持ってできるように」。恋愛観も「男同士、女同士だから恋愛できない、みたいな(ボーダー)ラインもないです」と、ちず役に近い。「いろんな世界で、やりたいことを好きなようにできたらいいなと思います」。ジャンルや枠にとらわれない「だーりお」。新時代の女優像を切り開こうとしている。【大井義明】

◆「おっさんずラブ」 モテないサラリーマン春田創一(田中)に恋した上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)や牧凌太(林)ら“おっさんず”の三角関係をピュアに描いたラブコメディー。内田が演じた27歳の荒井ちずは春田の幼なじみで、春田に微妙な恋心を抱きつつも、牧らの助言者にもなる。ちずの兄の居酒屋店主、荒井鉄平役はアンジャッシュ児島一哉。内田は8月23日公開の映画版にも出演が決定している。

◆ドラマグランプリ 3月28日から4月4日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」、宅配読者会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は2162票。男性が716票、女性が1446票。10代以下が66票、20代331票、30代285票、40代601票、50代610票、60代以上が269票だった。

◆内田理央(うちだ・りお)1991年(平3)9月27日、東京生まれ。10年「日テレジェニック2010」に選出。15年から「MORE」専属モデル。映画初主演は16年「血まみれスケバンチェーンソー」、ドラマ初主演は17年「将棋めし」(フジテレビ系)。インスタグラムのフォロワー68万人。私生活ではオタクを自認し、SNSやネットについては読む専門の「ROM専」。身長166センチ。血液型O。