林遣都(28)が「第22回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」助演男優賞に輝いた。
テレビ朝日系18年4月期「おっさんずラブ」に牧凌太役で出演。吉田鋼太郎演じる黒澤武蔵と田中圭演じる春田創一をめぐる恋のライバルを熱演した。「おっさんずラブ」は「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」の4冠を達成した。
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「うれしいです」。トロフィーを受け取ると満面の笑みを浮かべた。「デビュー作の映画『バッテリー』という作品で新人賞をいくつかもらって、個人的な賞はそれ以来。自分がやっていることが評価してもらえるということが形として実感できているので、うるっとするものがあります」と、しみじみと語った。
ドラマでは独身ダメ男の主人公春田と誰もが憧れる理想の上司・黒澤武蔵、イケメンでドSな後輩・牧凌太の三角関係がピュアに描かれた。同性への感情移入がストーリーの軸になっていく。「難しさはありますが、人を愛する気持ちという部分では春田という主人公がそういうことを飛び越えてきてくれる魅力的なキャラなので助かりました」と振り返った。
一方で、「終わってみてずっしりきました。魂を吸い取られていたんだなと。役者というのは、大きくいえば、うそをついて演技をしていている仕事だと思っていて。この役の場合、さらにその上に大きなうそをついて演技をしている。役とは、真摯(しんし)に向き合わないとできないと思っているので」と真剣な表情で語った。
今年8月には劇場版も公開される。「自分たちが最初に掲げたテーマをやりつづけ、それが映画化までされることをすごく誇りに思う」と胸を張った。そして、「この1年、ドラマのおかげで僕を見てくれる人が増えたと思うし、過去の作品も見てくれる人が増えたので、感謝するところがたくさんあります。映画版で頂いたものをお返ししたい」と意気込みを語った。
令和になっても多忙だ。NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」(日曜午後8時)の第2部(6月30日スタート)、今秋スタートの次期NHK連続テレビ小説「スカーレット」など話題作への出演が控える。「役者は人の人生を生きる仕事なので自分を高めていくしかないと思っています。生きていく上で起こること全てが勉強になる。仕事も私生活も止まらず時間を無駄にせずに高めていきたいなと思っています」と、役者道を究める覚悟を示した。【上岡豊】
◆ドラマグランプリ 3月28日から4月4日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」、宅配読者会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は2162票。男性が716票、女性が1446票。10代以下が66票、20代331票、30代285票、40代601票、50代610票、60代以上が269票だった。
◆「おっさんずラブ」 結婚願望はあるがまったくモテないポンコツサラリーマン、春田創一(田中圭)、豪腕と乙女心をあわせ持つ上司、黒澤武蔵(吉田鋼太郎)、エリートな後輩、牧凌太(林)の三角関係をピュアに描いたラブコメディー。春田と牧が結ばれたドラマのその後を描く映画「劇場版 おっさんずラブ~LOVE or DEAD~」(瑠東東一郎監督)が8月23日公開予定。
◆林遣都(はやし・けんと)1990年(平2)12月6日、滋賀県生まれ。中学の修学旅行で渋谷を訪れた際にスカウトされ芸能界入り。07年映画「バッテリー」の主演で俳優デビュー。同作で、日本アカデミー賞、キネマ旬報ベスト・テンなど新人賞を受賞。11年WOWOW「コヨーテ、海へ」でテレビドラマ初主演。今年12月には舞台「シス・カンパニー公演 日本文学シアターVol.6【坂口安吾】『風博士』」に出演予定。趣味は野球。特技は書道。血液型O。