【ソフトバンク】今宮健太が一流たるゆえん 寒行参加した本紙記者が風呂場で見た何げない気遣い
<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>
とにかく「参加して良かった」に尽きる。1月14日の深夜、ソフトバンク今宮健太内野手(33)の実兄が住職を務める大分市内の「不動尊霊山 一心寺」で寒行に参加した。自ら参加を希望しながら、いざ当日になると怖気づいた。車で一心寺に向かい、その時間が近づくごとに鼓動が激しくなった。
とにかく寒い、冷たい、震えが止まらない。感想は割愛させていただくが、川に入って水をかぶるごとに厄が落ちていく気がした。読者には老若男女問わず日頃のストレスや「不運だな」と思うことがあるだろう。それこそが生きている証だが、浄化させていくこともまた人間だからこそできる。勇気を出して新たなことにチャレンジしてみる大切さを、身をもって学んだ。緊張した分、終了後の達成感も心地いい。
「年始に心新た」とすがすがしい思いで風呂場に向かった。一心寺の風呂には複数の浴槽がある。偶然にも今宮と同じ浴槽で体を温めた。一心寺の歴史や寒行を始めたいきさつを雑談しながら、今宮の優しさを感じた。熱湯が出てくる蛇口に近づき、浴槽全体に熱湯が行きわたるようにかき混ぜてくれていた。何げない会話をしながら自然と行える優しさに触れた。一流選手たるゆえんを垣間見て、一段と心が浄化された。
2025年が始まり、1カ月が経過しようとしている。今年何かを始めるにはまだ遅くない。1月中に2025年の指針を決めてはどうか。蛇足かもしれないが、記者の定めた指針は「人に優しく生きよう」だ。【ソフトバンク担当=只松憲】