【阪神】佐藤輝明「彼の長打力は武器になる」井端弘和監督が侍ジャパンのクリーンアップ候補期待
虎の大砲から侍の大砲へ-。阪神佐藤輝明内野手(25)が3日、侍ジャパンのクリーンアップ候補として期待を寄せられた。
井端弘和監督(49)が沖縄・宜野座で行われている春季キャンプを視察。昨季56試合に登板した石井大智投手(27)とともに3月に行われるオランダとの強化試合の最終候補メンバーに選出されていることが判明した。侍の指揮官は26年WBCも見据え、背番号8の長打力に太鼓判を押した。
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気温が20度を超えていた前日までより5度ほど低くなった宜野座球場。だが、佐藤輝の打撃は熱かった。2日連続でランチ特打。右中間への2連発をはじめ、38スイングで7本の柵越え。バックスクリーン方向や左中間にもスタンドへ。井端監督が三塁ベンチ側から熱視線を送る。その期待に応えるように佐藤輝は力を込めた。
「長打力というのはチームに勝利をもたらす部分があると思うので、そういうバッティングができるように頑張ります」
侍の指揮官が語った期待の数字を聞いて刺激を受けた。井端監督は「この1年で20本台から間違いなく、40、50(本)といける選手なので、大いに今年は期待したい」と今季の活躍に太鼓判を押す。ここまでプロ4年では2度記録したシーズン24発が最高だが、今季の爆発的な進化を確信。3月の強化試合では阪神から前川らも候補に挙がったが、野手の最終候補に残ったのは佐藤輝だった。もちろん、侍でもクリーンアップとしての活躍に期待するからこそだ。
26年WBC本番を見据えた最終候補メンバー入りでもある。井端監督は「WBCの準決勝、決勝あたりはホームランでしか点を取れていないので、彼の長打力は武器になる」と語る。さらに「サードで勝負してほしい」とも要望。今季の成長曲線をイメージし、連覇を狙う来春の大会の戦いも見据えての選考だ。佐藤輝も「しっかりシーズンで活躍して、そこ(WBC)に選んでもらえるように今は頑張るだけですね」と目を輝かせた。
プロ入り後は22年強化試合や23年アジアチャンピオンシップで侍ジャパンに選出された経験がある。佐藤輝は「一発勝負なので、難しいところもある」と振り返った上で「そういうところで活躍できる選手になっていきたい」と力を込めた。今年のセ界一を目指すシーズンの戦いは、日本中を歓喜の渦に巻き込む世界一への戦いにもつながる旅路となる。【塚本光】
○…井端監督は来年3月に開催されるWBCの侍ジャパン候補に阪神8選手の名前を挙げた。主軸候補の佐藤輝以外に野手では大山、中野を挙げ、さらに「近本選手も力のある選手。森下選手も(プレミア12で)4番の働きをしてくれたので大きく飛躍してほしい」と野手5人の名前を挙げた。投手陣も石井を「キレのある直球で十分に抑えられる力がある。投げミスの少ない投手」と高評価。先発候補に才木、左リリーフとして桐敷の名を加えた。昨年11月のプレミア12に出場した才木は「代表には選ばれたい。どんどん出たい」と目を輝かせた。