【坂口智隆】オリックスOBが子どもたちに伝えたこと「誰よりも遠くに」/連載〈1〉

オリックスが5月3~5日にかけて、本拠地・京セラドーム大阪での日本ハム3連戦後にOB選手と子どもたちがふれあうイベントを開催しました。ヤクルトでも活躍した野球解説者の坂口智隆さん(39)、関西独立リーグの姫路イーグレッターズで監督を務める海田智行さん(36)、関メディベースボール学院コーチの近藤一樹さん(40)が参加。キャッチボール、ティー打撃などの実技を通じ、子どもたちに、野球って楽しいよ、スポーツって面白いよというメッセージを送りました。

プロ野球

◆坂口智隆(さかぐち・ともたか)1984年(昭59)7月7日、兵庫県生まれ。神戸国際大付2年のセンバツに投手として出場。02年ドラフト1巡目で近鉄入団。近鉄消滅後の05年からオリックスでプレー。11年は全イニング出場し、リーグ最多安打。08~11年ゴールデングラブ賞。15年オフに自由契約となり、ヤクルト移籍。22年に現役を引退した。通算成績は1545試合に出場し、5483打数1526安打38本塁打、418打点、85盗塁。通算打率は2割7分8厘。現役時代は181センチ、82キロ。右投げ左打ち。

オリっこ100家族

5月3日。かつてのホームグラウンドで、オリっこ100家族が坂口さんを待っていた。

〝坂口コーチ〟の指導で、男の子も女の子も当たっても痛くないボールを使ってキャッチボール、ティーボールに取り組んだ。

中学生以下の参加者たちに教える中で、坂口コーチは大事なことを伝えた。

「キャッチボールがうまい選手は野球がうまい。キャッチボールはすべてに通じています」

さらにティーボールは「自分の打とうという場所を決めて、どうやったらそこに打てるかを考えて練習する。そこに打つためにはどうしたらいいかと」。

「OB選手ふれあいイベント」が試合後に行われキャッチボールの手本を見せる坂口智隆氏=2024年5月3日

「OB選手ふれあいイベント」が試合後に行われキャッチボールの手本を見せる坂口智隆氏=2024年5月3日

狙い澄ましたかのように野手のいないエリアにきっちり打球を運んだあの打撃は、そういった決めごとから生まれていたのか。

なるほど…と、今さらながら納得した。

野球を始めた頃の思い

懐かしい元わが家だというのに、京セラドーム大阪のグラウンドに立つ前、坂口さんは緊張したという。

本文残り71% (1654文字/2335文字)

古代の王国トロイを発見したシュリーマンにあこがれ、考古学者を目指して西洋史学科に入学するも、発掘現場の過酷な環境に耐えられないと自主判断し、早々と断念。
似ても似つかない仕事に就き、複数のプロ野球球団、アマ野球、宝塚歌劇団、映画などを担当。
トロイの 木馬発見! とまではいかなくても、いくつかの後世に残したい出来事に出会いました。それらを記事として書き残すことで、のちの人々が知ってくれたらありがたいな、と思う毎日です。