【三浦監督と5選手】9連敗で止めた夜、何を語ったか―バックヤード取材まで完全掲載

DeNAが長いトンネルを抜けました。8月3日の阪神戦(横浜)。三浦監督政権下で、引き分けを挟まない連敗では最長となる9連敗から脱出。オースティンの2本塁打4打点、佐野の決勝打などで、8連勝中だった阪神から逆転勝利を挙げました。上位争いにも土俵際に踏みとどまった一戦で、指揮官は、選手は何を語ったのでしょうか。

三浦大輔監督(50)、ヒーローのタイラー・オースティン内野手(32)、決勝打の佐野恵太外野手(29)、勝ち投手になった山崎康晃投手(31)、主将の牧秀悟内野手(26)、正捕手の山本祐大捕手(25)―。それぞれが語った言葉で振り返ります。

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■三浦監督「勝ち方より勝つことです」

三浦大輔監督(50)は安心したような表情を浮かべながら、会見場に姿を現した。就任後初の引き分け挟まない9連敗。目まぐるしく打順、メンバーを入れ替えながら、もがいてきた。

――連敗ストップして率直な気持ちは

長かったですね。2週間か…すごく長く感じましたし、ファンの方もそう感じているのではと思います。

――勝ち方がDeNAらしかった

勝ち方より勝つことです。連敗を止めることがというので、みんなその気持ちを常に持っていた中で、今日それが結果につながったのかなと思います。

――オースティンが2本塁打

大きな存在です。初回ああいう形で3点先制されて。本拠地初先発の吉野ですから全てを背負わせるわけにはいかないですけど、先制されたすぐ裏に振り出しに戻してくれて。まだまだいけるぞという雰囲気にしてくれて。

初回の3点を一気に振り払ってくれて、本当に大きな3点でした。

――7回はつないで中軸が勝ち越し

そうですね。林がしっかり出塁した中で、代打柴田のバントが重圧のかかるところでした。初球、内角に厳しい球がきた中で次の球ですからね。

なかなか難しいバントだったと思いますけど、柴田だからできたバントだったと思います。そこから中軸の佐野がいいところで決めてくれました。

――その場面で、牧の激走もあった

ああいう形で塁に出たら、常に先の塁を狙う。相手ミスがあった中でもワンプレーで終わらずにそれを続けられたということが、ああいう点につながったと思います。

――連敗中のチームの雰囲気はどう感じていた

ゲームセットで負けた後は、みんなが悔しがってますし、空気も重くなります。それでも明日に向けて、切り替えて、反省もしながらですけど明日こそはと思って。

コーチとかとも話をしながら、次の日に球場に来たら「今日こそは」という気持ちで。表情みても明るかったですしね。その繰り返しが続いてましたから。勝たないことにはという中で今日までかかりましたから。長かったですね。

――勝った後の雰囲気は

久しぶりだなと。選手たちも、1つ勝ったからどうこうではないですけどね。だいぶかかりましたけど、連敗は止められたから。これをきっかけにしていかないといけないです。

――ここから再スタート

もちろん反省はしますけど、過去の結果、昨日の結果、一昨日の結果っていうのは変えられないので。

今日どうするか、今日終わったら明日どうするかというような話はよくしてるので。過去は変えられないけど、今日は作っていけると。

選手たちもしんどかったと思います。ファンの方もそうですけどね。でも、誰1人諦めずにやったからこそ。今日のような試合ができたらなと思います。

――ペナントレース全体と同じように、今日の試合でも離されずについていって勝利まで

そうですね。連敗中、何点あっても…というところで、相手のミスもあったかもしれないですけども、それをしっかりと得点に結びつけられたというのは良かったと思います。

もちろん1つ勝って喜んでいられる状況じゃないですけど、選手たちもちょっと自信持って、また明日からグラウンドに立てるのかなと思います。

■佐野「自分でもびっくりするぐらい、それぐらい気持ちが入ってた」

佐野恵太外野手(29)は同点の7回2死一、二塁、中前への決勝適時打で試合を決めた。塁上では感情を爆発させて喜んだ。

――気持ちというか、技術を超えたような一打

そうですね。連敗中、自分が打ってたら勝てたという試合もありました。それこそ昨日もそうでした。それでも強い気持ちを持って打席に立てたことが、いい結果につながったのかなと。

そんなにいい当たりではなかったんですけど、飛んでいったところがよかったなと思います。

――昨日も同じところを攻められた

最近この辺はよく攻められがちなので。それは駆け引きにもなると思いますけど、今日はどちらかというと、来た球に対して食らいついけたかなと。

――塁上であんなに叫んだのは珍しい

いや、もう喉痛いです。今は寒すぎて。でも自分でもびっくりするぐらい、それぐらい気持ちが入ってたのかなと思います。

――9連敗中のチームの雰囲気は

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1998年3月生まれ。東京都あきる野市出身。都立富士森では硬式野球部に所属。中大商学部を経て、2020年4月入社。同年10月から野球部配属で同12月から巨人担当、24年1月からDeNA担当を務める。 趣味は海外サッカーなどのスポーツ観戦、映画鑑賞、サウナ。下手くそだけどマイブームはゴルフ。好きな食べ物は地元の八王子ラーメン。