【白熊の言葉】「大の里とも距離があったんですけど、少し近づいて…」/会見全文

大相撲秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)の新番付が26日、発表され、白熊(25=二所ノ関)が新入幕を決めた。東十両8枚目で臨んだ7月の名古屋場所で、12勝3敗の十両優勝を果たし、東前頭16枚目に番付を上げた。茨城・阿見町の部屋での新入幕会見は当初、1人で行う予定だったが、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が、サプライズで冒頭の写真撮影中に登場。そのまま2人並んで会見した。新入幕会見の一問一答を、全て紹介する。

大相撲

大相撲秋場所で新入幕を果たし番付表を手に会見する白熊(撮影・小沢裕)

大相撲秋場所で新入幕を果たし番付表を手に会見する白熊(撮影・小沢裕)

(新入幕会見は当初予定の午後2時よりも数分早く、新番付を持った写真撮影から開始。そこへスーツ姿の二所ノ関親方がサプライズで登場。驚いた白熊が、裏から座布団を取りに行き、写真撮影から仕切り直して正式にスタートした)

大相撲秋場所で新入幕を果たした白熊の会見に出席予定のなかった師匠の二所ノ関親方が現れる(撮影・小沢裕)

大相撲秋場所で新入幕を果たした白熊の会見に出席予定のなかった師匠の二所ノ関親方が現れる(撮影・小沢裕)

―昇進おめでとうございます。実感は

白熊 そうですね。今日、番付発表があって、やっと実感が湧いたって感じですね。

―番付表を見てどう感じた

白熊 でも本当に、やっと、ちゃんとした…。ちゃんとしたというか、その…。しっかり、大の里とも距離があったんですけど、少し近づいて…。近づけることができたのかなという感じですね。

―入門から約2年で新入幕

白熊 素直に、本当にうれしいなと。あとはもう、どんどん勝ち星につなげていけたらいいなと思います。

―2年は長かったか、短かったか

白熊 そうですね。あんまり何とも感じなかったですけど。でも、本当にいろいろ。一番下(前相撲)からスタートして…。いろいろ経験できたので、すごい、自分の中では、いいかなと思っています。

―師匠とは何か話はしたのか

白熊 あの…。まだ、そんなに大きくはないですけど。来場所から頑張れよと…。しっかり頑張っていきたいと思っています。

大相撲秋場所で新入幕を果たした白熊。左は師匠の二所ノ関親方(撮影・小沢裕)

大相撲秋場所で新入幕を果たした白熊。左は師匠の二所ノ関親方(撮影・小沢裕)

―故郷の家族に連絡は

白熊 そうですね。あの、はい。(名古屋場所)千秋楽の日に連絡をして。すごい喜んでいたので、よかったです。

―今日は連絡は

白熊 今日は…。そうですね。連絡はきていたんですけど。まだ返してなくて、ゆっくり返そうかなと思っています。

―家族からのメールは何と書いてあった

白熊 あっ、でも「幕内おめでとう」って書いてあって。ちょっと電話して、ゆっくり話そうかなと思います。

―入門2年。何が昇進のきっかけになった

白熊 そうですね。やっぱり親方を信じて、しっかり二所ノ関部屋で相撲を取ってきたので、それが一番よかったのかなと思いますし。あとは(二所ノ関親方に)胸をお借りして、ぶつかり(稽古)をやったりとかしたので、それが本当に、しっかり実になって、結果が出たのかなと思います。

―技術的にはどこが良くなったと実感している

白熊 そうですね。まだ全然、完成形ではないですけど。立ち合いから。あとはその…、気持ちの持っていきから、あの、持っていき方とかも、いろいろ教えていただいたので、そこがだんだんとできてきたのかなと自分では思っています。

―入門当時、幕内とはどういう地位と感じていた

白熊 そうですね、やっぱり、ちっちゃいころから相撲をテレビで見ていて「僕もここに立てたらいいな」と思っていたので、そこに自分も、だんだんと立てているというのは、うれしいですね。

―師匠に聞きます。入門2年で新入幕をどう評価しますか

二所ノ関親方 そうですね。まあ、何かここ数場所というか、先場所、急に成長したというか。(そういう)感じでしたので、はい。まさか(名古屋場所)初日に、妙義龍に圧倒されて負けたので「今場所は何とか勝ち越したらいいかな」ぐらいの気持ちで、僕も見ていたんですけど。でも、特に先場所の相撲がね。いや、いい相撲が多くて、いつも受けに回ってしまう相撲が多いんですけど。負けた相撲も、妙義龍戦以外は、前に出る相撲だったんでね。非常に、急激に、先場所で成長したなと思いましたね。はい。

―急激に成長した要因は

二所ノ関親方 僕にも分からないですね、それは(笑い)。まあ、でも、そのぐらいの力はたぶんあったんですけど、その力の出し方っていうのが、まだ分からなかったこともあるんですけど。先場所で何か「こうしたら、こう勝てる」「こうすれば、こうなる」というようなことが、少しずつ分かってきたのかなと思いますし。本当に先場所は…。いい名古屋場所だったと思います。

―師匠から見た一番の魅力は

二所ノ関親方 出足でそのまま、力強く持っていくというような。四つにしても、そのまま押すにしても、前に、前に出る相撲というのが、非常に魅力的ですし。そういう相撲をどんどんまた、これからやっていこうとすると、やっぱり幕内でも通用すると思いますしね。その相撲は変わらず。あとは少しずつ、少しずつ、ちょっとした技術というのをね、少しずつ学んでいくとね。でも、出足があって、圧力があっての、技術の部分だと僕は思っているので、それをもっともっと鍛えさせていきたいなと思っています。

―ちょっとした技術とは具体的に

二所ノ関親方 ちょっとしたことですよ(笑い)。はい。

―例えば

二所ノ関親方 例えば、やっぱり前に出る圧力で、手の位置だったり、前さばきだったり、数ミリずれるだけで、相撲って、だいぶ変わってくるので。前に出る圧力が出ると、その後の手の位置がもっと良くなったりとか、足の角度がもっと良くなったりするんですけど。そういうものも、たまたま調子がいい時に出るというようなことじゃなくてね。確信的に「ここに足が出たら勝つんだ」というような、そういうふうになってくると、三役も近いと思いますし。そこを確信に変えたら(隣の白熊にも聞こえないぐらいの非常に小声&早口で)大関にも横綱にもなれるぐらいのね、やっぱり、体はあるので。あとは自分次第だと思いますよ。

大相撲秋場所で新入幕を果たし会見する白熊(右)と師匠の二所ノ関親方(撮影・小沢裕)

大相撲秋場所で新入幕を果たし会見する白熊(右)と師匠の二所ノ関親方(撮影・小沢裕)

―師匠から期待の言葉もあったが、どう受け止めている

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1999年入社。現在のスポーツ部ではサッカー(1)→バトル→五輪→相撲(1)→(5年半ほど他部署)→サッカー(2)→相撲(2)→ゴルフと担当。他に写真部、東北総局、広告事業部にも在籍。
よく担当や部署が替わるので、社内でも配った名刺の数はかなり多い部類。
数年前までは食べる量も社内でも上位で、わんこそばだと最高223杯。相撲担当になりたてのころ、厳しくも優しい境川親方(元小結両国)に「遠慮なく、ちゃんこ食っていけ」と言われ、本当に遠慮なく食べ続けていたら、散歩から戻った同親方に「いつまで食ってんだ、バカヤロー!」と怒られたのが懐かしいです。