こんにちは。先週の香港国際競走はご覧になりましたか? 日本馬の勝利がなかったことは本当に残念でしたが、どの馬も素晴らしい走りを見せてくれました。まずは無事に日本へ帰国して、来年もまた日本競馬をにぎわせてほしいと思います。

4レースともに印象的なレースでしたが、なかでも香港カップのロマンチックウォリアーは強いの一言でした。この後、ドバイからサウジアラビアへと中東を主戦場にして日本馬と対戦する予定とのことで、初ダートの挑戦もとても楽しみですが、ここでは是非日本馬にロマンチックウォリアーを負かしてほしいと願います。

また、香港ヴァーズを勝利したジアヴェロットとマーフィー騎手ですが、現地でもそれほど前評判が高くない中、見事な末脚を引き出したマーフィー騎手の素晴らしい騎乗でした。レース後に彼と話をしましたが、4コーナーから直線に入る時は不利を受けたものの、道中しっかり脚をためることが出来ていたので焦らなかったそうです。実際に騎乗カメラを見ても、不利を受け、外へ膨れた直後に目の前のステレンボッシュの後ろの進路を取り、内に入って差し切ったところなど、マーフィー騎手の瞬時の判断が見事な勝利につながったように感じます。彼とは2018年から共に仕事をしていますが、彼の好きな戦法である『内で脚をためて直線で脚を引き出す』乗り方で勝つことが出来て、彼自身もすごくうれしかったと思います。

マーフィー騎手は日本の競馬が本当に好きで、短期免許を取得していた頃から今まで毎週日本競馬のレース結果を全レース見ています。G1レースはもちろん、新馬戦などでもいい馬だと感じるとすぐ連絡が来ます。特に、来日時に身元引受けだった国枝厩舎の馬の時は早いです(笑い)。

来年のサウジアラビアやドバイで、また日本馬とコンビを組ませてもらえる日が今から楽しみです。

最後に、日本では阪神JFで岩田望来騎手が初G1制覇を達成しました。近頃は若手騎手のG1勝利や活躍が目立っている中、岩田望騎手も日本を代表する騎手になりつつあると思うので、今後の活躍にも期待したいと思います。今年の競馬開催もいよいよ残り少なくなってきましたが、皆さん引き続き楽しんで下さい。(レースホースコーディネーター)