北半球の競馬は12月31日をもって終了、各種の成績が発表されています。2024年の種牡馬、調教師、騎手のトップに立った人馬を紹介しましょう。

<北米のリーディング>

2019年から北米種牡馬のトップに立つイントゥミスチーフ(父ハーランズホリデー)が2024年も独走、6年連続で北米リーディングサイアーとなりました。2024年はG1ドバイワールドカップの覇者ローレルリバーやG1BCジュベナイルを制し、今年のG1ケンタッキーダービーの有力候補となっているシチズンブルなどが活躍。2位のガンランナーに1231万ドル(約19億1000万円)の大差をつけて盤石の強さをアピールしました。同馬は2歳リーディングサイアーにも輝き、こちらは2022年以来5度目の戴冠です。2025年の種付料は一昨年から据え置きの25万ドル(約3750万円)となっています。日本で競走するイントゥミスチーフの産駒からは地方重賞の園田チャレンジカップに勝ったイモータルスモークが出ているものの、JRAの重賞勝ち馬はまだなし。3連勝中のアメリカンステージや、米国帰りのメタマックスあたりが、その候補になりそうです。

収得賞金順で決まる北米リーディングトレーナーは東地区を拠点に活躍するチャド・ブラウン調教師(46)が2年ぶり6度目のタイトルを獲得しました。昨年はシーズンでG1に6勝、看板馬のシエラレオーネは2月のG1サウジカップでフォーエバーヤングとの再戦が予定されています。

北米リーディングジョッキーは、そのシエラレオーネとコンビを組んだフラヴィアン・プラ騎手(32)が初タイトルをつかみました。グレードレース年間56勝はジェリー・ベイリー騎手が2003年に記録した55勝を上回る新記録です。

<英国・アイルランドのリーディング>

ダークエンジェル(父アクラメーション)が初の英・愛リーディングサイアーに輝きました。2024年はG1クイーンアンSなどG1に3勝してG1マイルチャンピオンシップに参戦(5着)したチャリンやG1クイーンエリザベス2世ジュビリーSを連覇したカーデムが活躍、強力なライバルをおさえて23年2位から首位に駆け上がりました。今年の交配料は昨年と同額の6万ユーロ(約960万円)に据え置かれています。2位以下はドバウィ、ガリレオ、フランケルの順となっています。

2歳リーディングサイアーはウートンバセット(父イフラージ)が初戴冠です。G1BCジュベナイルターフ優勝のアンリマティスなど産駒は2歳重賞だけで10勝を挙げて、新記録を樹立しました。

英・愛のリーディングトレーナー(収得賞金順)はアイルランドのエイダン・オブライエン調教師(55)が、2017年以来7年ぶり7度目の戴冠となりました。G1英ダービーのシティオブトロイ、G1プリンスオブウェールズSのオーギュストロダンなど管理馬はG1・11勝を挙げました。

英・愛リーディングジョッキー(勝利数順)はオイシン・マーフィー騎手(29)が、3年ぶり4度目のチャンピオンに輝きました。シーズン216勝を挙げて、200勝のロッサ・ライアン騎手をおさえました。

<フランスのリーディング>

キャメロット(父モンジュー)が初のフランス総合リーディングサイアーに輝きました。2024年はブルーストッキングがG1凱旋門賞、G1ヴェルメイユ賞に優勝、英国でもG1プリティポリーSを制すなど大活躍しました。2位のシーザスターズ(父ケープクロス)はG1パリ大賞を制したソジーが稼ぎ頭。G1仏ダービーを制したルックドゥヴェガを送ったロペデヴェガ(父シャマーダル)が3位となっています。

2歳リーディングサイアーはG1ジャンリュックラガルデール賞を制したカミーユピサロ、G1クリテリウムアンテルナシオナルに勝ったトゥウェインを送ったウートンバセットが2023年に続き首位となっています。

仏リーディングトレーナー(収得賞金順)は凱旋門賞馬ブルーストッキングを擁した大御所アンドレ・ファーブル調教師(79)が2021年以来3年ぶり32度目の首位に就きました。

仏リーディングジョッキー(勝利数順)はマキシム・ギュイヨン騎手(35)が年間248勝を挙げて、3年連続4度目のチャンピオンに輝きました。昨年はソジーやダイワメジャー産駒のダブルメジャーとのコンビでG1を制しました。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績などは2025年1月16日現在