【札幌レター〈25〉】コンサ取材事情を「ミシャさん同期」保坂果那記者がぶっちゃけ

北海道コンサドーレ札幌の担当になったのは18年シーズンから。ペトロビッチ監督(65)の就任初年度からで、今季6年目。だからよく勝手に「ミシャさんと同期」と言っている。日々の記事をどのように書いているのか、最近私が思うことなど、お伝えできる範囲でぶっちゃけます!

サッカー

18年1月、サポーターに声を掛ける札幌監督に就任したばかりのペトロビッチ氏(左)を撮影。私も、このころコンサの新担当として取材が始まりました

18年1月、サポーターに声を掛ける札幌監督に就任したばかりのペトロビッチ氏(左)を撮影。私も、このころコンサの新担当として取材が始まりました

練習取材編

数字とにらめっこ、地道な作業も

練習を見て、いつもと違うことなど、トピックを探します。ですが、見つからないこともあります。そのため、練習場に行く前に今日はどの選手に話を聞き、どんなテーマの記事にするのか、あらかじめイメージしておきます。まずは“節目”のチェック。シーズン中なら、次の試合に向けた記事になることがほとんど。次節で通算何試合目の出場になるとか、あと何点で通算何得点を達成するとか、もうすぐ誕生日など…。Jリーグメディアチャンネルでは毎節「ネタ帳」でそういうデータを事前に提供してくれています。そこに札幌の選手に該当者がいるかを探します。

ネタ帳には出ていないデータは自分で調べます。J1とJ2のリーグ戦通算の数字やリーグ記録やクラブ記録など。MF浅野雄也選手(26)やMF金子拓郎選手(26)が3戦連発をマークし、もし4戦連発ならクラブでは日本人最長というデータは、札幌の全リーグ戦を1試合ずつチェックして、連発した選手を調べました。MFスパチョーク選手(25)が2戦連発した後、もし3戦連発なら、クラブで1シーズンに3選手が3戦連発をマークするのは史上初、というデータも実は調べていました。

5月26日配信の「浅野雄也の連発記録」に触れた記事

【札幌】浅野雄也、クラブ日本人最長タイ4戦連発狙う「僕の前にボールが来るので」

北海道コンサドーレ札幌MF浅野雄也(26)がクラブの日本人選手最長タイとなる4戦連発を狙う。

27日ホーム名古屋グランパス戦(札幌ドーム)に向けて、26日は札幌ドームサブグラウンドで前日練習を行った。自身初の3戦連発中で、今節もゴールを決めれば、クラブでは18年FW都倉賢(36=長崎)以来、日本人選手では2人目となる4試合連続得点となる。「期待されているなとは思う。もちろんプロである以上、そこは応えていかないといけないが、変に意識はしたくない」と、覚悟を見せる。

リーグ最多総得点31のチームをけん引する。現在8得点でJ1得点ランキング2位。「僕の前にボールが来るので」と、好連係で得点を重ねられている。相手の名古屋は今季の総失点が11でリーグで2番目に少なく堅守。それでも「札幌らしい崩し方で勝ちたい」と打ち勝つつもりだ。

19年以来4季ぶりのクラブJ1タイ記録の4連勝がかかる。複数得点での連勝に手応えを感じており、「浮かれることなく、まずは目の前の1戦1戦を大事にして、4連勝、5連勝につなげたい」と士気を高めた。

 

記録のプロ、石川記者のサポート

日刊スポーツにはサッカー記録担当の石川秀和記者がいて、大変頼りになるので、データを教えてもらうことがあります。私が自力で調べるには限界がある記録を、探し出してくれます。今季で言うと、開幕前にFW菅大輝選手(24)がJリーグ史上最年少でのJ1通算200試合出場達成の可能性というデータを見つけてくれました。6月24日C大阪戦で達成した時、記事にすることができました。こういう記録は前向きな話なので、みんながハッピーになれます。節目は本人にとっては気に留めない選手もいますが、読者が「そうなんだ」と思って試合を見てくれたら、また違う見え方や応援もできるのではないか、そうなったらいいなという気持ちで記事を書いています。

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。