【札幌レター〈81〉/返信】2万6544人が集結 サポーターに見たチーム愛

前回の「札幌レター」では、北海道コンサドーレ札幌MF浅野雄也(27)に左太もも裏肉離れによるリハビリ期間中の思いや今季2度の長期離脱の原因について聞いた。11月3日ホーム・セレッソ大阪戦(1-1)で約3カ月ぶりに公式戦復帰。同戦の来場者は今季2番目に多い2万6544人だった。石川秀和記者は浅野の復帰戦のプレーと今季の札幌のホーム平均入場者数に注目した。

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前回は「浅野雄也『切れない筋肉を』 離脱中の葛藤と気持ちの変化」と題して、MF浅野が左太もも裏肉離れから9戦ぶりに復帰するまでの歩みをたどった。石川記者からの返信編では、2万6000人超が見守った浅野のプレーと、残留争い中の札幌サポーターの熱さをデータで示してくれた。

C大阪と引き分けた札幌イレブン。中央は荒野(共同)

C大阪と引き分けた札幌イレブン。中央は荒野(共同)

首が太く、胸板は厚く

J1の札幌―C大阪戦は11月3日、大和ハウスプレミストドームで行われ、2万6544人が詰めかけた。同じ日に行われた広島―京都戦が2万6521人で、優勝を争う広島のホームゲームより多くのサポーターが集まった。J2降格危機の中、札幌サポーターの力強さをあらためてリーグ全体に示したと言える。

札幌-C大阪 前半、指示を出す札幌・ペトロビッチ監督(共同)

札幌-C大阪 前半、指示を出す札幌・ペトロビッチ監督(共同)

ただ、試合は1-1で引き分け。残り3試合で勝ち点33の19位と厳しい状況に追い込まれた。残留圏17位の柏とは勝ち点6差で、次節11月9日のアウェー湘南戦で来季のJ2降格が決まる可能性がある。敵地であろうと、多くのサポーターが応援に駆けつけ、リーグ全体の入場者数を底上げするJリーグ最北端のクラブが、無抵抗のままJ2に降格するわけにはいかない。

札幌担当保坂記者のレターを受け、MF浅野雄也の復帰初戦のプレーを追った。1-0の後半11分から途中出場。映像を通して見た限りだが、首回りが太くなり、胸板も厚くなった印象。筋トレの成果だろうか、たくましくなって戻ってきた。

後半14分、右から左に展開し、そのままゴール前に進入。FW鈴木武蔵の折り返しのパスを受けて左足を振り抜いた。同22分にも右から中央に切れ込み、左足でシュート。得意の形だったが、2本ともゴールにつながらなかった。時速25キロ以上で1秒以上走った「スプリント」は34分間の出場で7回。緊張感のある公式戦を約3カ月ぶりに経験したことで、コンディションはさらに上がるはずだ。

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。