【札幌レター〈75〉】荒野拓馬「早く自分が復帰してチームの力になる」J1残留への思い

北海道コンサドーレ札幌MF荒野拓馬(31)の復帰が近づく。今季主将に就任した生え抜きは、6月から恥骨痛を発症して離脱。8月25日の札幌大との練習試合で2カ月ぶりの実戦復帰を果たした。9月からの復帰を目指す現在の心境を聞くと、J1残留への強い思いが言葉ににじんだ。

サッカー

◆荒野拓馬(あらの・たくま)1993年(平成5年)4月20日、札幌市生まれ。8歳でサッカーを始め、札幌U-15、同18をへて2012年にトップチーム昇格。高校2年時の2010年10月24日J2富山戦で当時のクラブ最年少でのリーグ戦デビューを果たす。U-18、21、22日本代表を経験。J通算325試合22得点(J1通算218試合11得点)。2024年に下部組織出身者として初の札幌の主将に就任。180センチ、76キロ。背番号は27。利き足は右。

公式戦復帰が近づいた

8月25日、札幌・宮の沢で久しぶりにピッチを駆け回る荒野の姿があった。この日夜のアウェー・ジュビロ磐田戦メンバーに入らなかった居残り組の選手が札幌大との練習試合に臨んでいた。すでに全体練習に合流していた荒野は磐田戦での復帰も視野に入れていたが回避。次戦の9月1日ホーム川崎フロンターレ戦こそ復帰してみせるという強い気持ちが感じられた。45分間ボランチとしてプレー。6月15日アウェー・京都サンガ戦(0-2)以来の実戦だった。

札幌大との練習試合でプレーする札幌荒野(撮影・保坂果那)

札幌大との練習試合でプレーする札幌荒野(撮影・保坂果那)

荒野 「まだまだミスが多いので、そこは精度を上げていかないといけない。まず今のチーム状況を考えて、早く自分が復帰してチームの力になる」

もともと恥骨痛を抱えている。治療方法を聞くと「休むこと」と苦笑いする。毎試合運動量が多く、開幕から京都戦までの全18試合で先発していた。当時MF宮沢裕樹(35)、MF青木亮太(28)、MF浅野雄也(27)、MFスパチョーク(26)ら主力に負傷者が多数いた。連敗中で結果も出ず、もがくチームを何とかまとめようと必死だった。

(左から)鈴木、深井、荒野(2024年6月28日撮影・保坂果那)

(左から)鈴木、深井、荒野(2024年6月28日撮影・保坂果那)

荒野 「京都戦での打撲が痛みにつながったんじゃないかっていう診断だった。でも元々抱えている部分もあったし、チームのケガ人が多くて抜けられない状況で、自分はギリギリまで粘っていた」

痛みを我慢していたがプレーが難しくなり、無念の離脱。1カ月のリハビリを覚悟していたが、結果的には2カ月と長期となった。荒野にとってどんな期間だったのか。

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。