【札幌レター〈66〉/返信】田中克幸 プロA契約、さらに飛躍へ

前回の「札幌レター」では、北海道コンサドーレ札幌MF田中克幸(22)がプロ1年をどう感じながら過ごしているのか紹介した。帝京長岡高から明大に進学し、今季札幌入り。現在リーグ戦8試合119分、ルヴァン杯4試合309分、天皇杯1試合90分に出場。石川秀和記者に大卒ルーキーのデータを分析してもらった。

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前回は「田中克幸『ネガティブ要素は全くない』信じて選んだ道の先へ」と題して、新人の現在の思いを聞いた。高校も大学も、進む道はいつも自分で決めてきた。残留争い中の札幌で前向きに奮闘中。石川記者からの返信では、田中克に期待するポイントを挙げてくれた。

通算出場時間が450分超え

札幌の大卒ルーキー田中克がプロA契約の締結条件を満たした。6月12日の天皇杯2回戦、栃木シティ戦でフル出場し、J1チームにおける公式戦の通算出場時間が450分を超えた。規定により、年俸(基本報酬)の上限は460万円から、今季に限り670万円にアップ。名実ともにプロ選手の仲間入りを果たした。得点力のある左利きのMFとして、さらなる飛躍が期待される。

天皇杯2回戦栃木シティ戦でプレーする札幌田中克(撮影・保坂果那)

天皇杯2回戦栃木シティ戦でプレーする札幌田中克(撮影・保坂果那)

新潟・帝京長岡高時代に高校選手権で通算8試合4ゴール。2018年度大会で8強入りし、3年時の2019年度大会ではFW晴山岬(元J2町田)、MF谷内田哲平(現J1京都)、DF吉田晴稀(元J2愛媛)とともに新潟県勢初となる4強入りに貢献した。「前が空いたら(ゴールを)狙う意識を常に持っていた」という。

U-17日本代表に初選出された帝京長岡時代の田中克幸(2019年2月12日撮影)

U-17日本代表に初選出された帝京長岡時代の田中克幸(2019年2月12日撮影)

5月22日のルヴァン杯1次ラウンド3回戦の長野戦。0-1の後半追加タイムに迷わず左足を振り抜いた。右からのパスを受けて前を向くと、一瞬、コースが空いた。シュートは相手にブロックされたが、こぼれ球に反応したDF家泉が押し込んで同点。その積極的な姿勢が敗色濃厚のチームを救った。延長戦で決着が付かず、タフに120分間フル出場。PK戦では2人目のキッカーとして落ち着いて左足で仕留め、チームは5-3で制して勝ち上がった。

「新しくチームに入ることで人それぞれの特徴をつかむことに少し時間がかかってしまったけど、最近はそういうところを理解しつつ、チームをどう動かすかってところに意識しながらゲームに入ったりする中で、徐々に特徴をうまくだしつつある。あとは課題の守備のところは今後も継続して向き合っていかないといけないと思うし、そこができればより長い時間ピッチに立てると思う」

ルヴァン杯プレーオフラウンド第2戦富山戦に出場した札幌田中克(右から2人目)(撮影・保坂果那)

ルヴァン杯プレーオフラウンド第2戦富山戦に出場した札幌田中克(右から2人目)(撮影・保坂果那)

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。