【150秒の青春】箕面自由学園チア新体制紹介~コーチへ、仲間へ、家族へ、伝えたい思い

箕面自由学園チアリーダー部は、5連覇を達成したジャパンカップが終わるとすぐに新体制で動きだした。新キャプテンと4人の副将にそれぞれが胸に抱く熱い思いを聞いた。

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故郷の広島を離れ
母と2人歩んだ道

左足首の手術を受けたのは今年の春のことだった。

以前から痛みを抱えていた箇所が、ついに悲鳴を上げたからだった。

本当は手術は受けたくなかった。

せめて夏のジャパンカップが終わるまでは-。

そう考えていた。

ついにトレーナーから言われる。

「早く手術をしないと、その後に影響してしまうよ」

それでも彼女は断った。

どうしても代々木の青マットに立ちたかったから。

その時期に手術を決断するということはジャパンカップをあきらめることになる。

「私、ガンコなので『手術はしたくいです』って言ったんです。でも、無理でした」

1年の時はBチーム。

今年はマットに立つことすらできず、会場で仲間の演技を必死に応援していた。

箕面自由学園GOLDENBEARSが5連覇をつかんだジャパンカップ決勝の夜。台風が過ぎ去ろうとしていた国立代々木第一体育館の外にメンバー全員が集まった。

その場で新主将と副将の名が告げられる。

副キャプテンに任命されたのが彼女だった。

マットに立つことができなくても。

どんなに悔しい思いを抱えていても。

それを見せることなく、笑顔で全力でサポートに徹していた姿を。

みんなは見ていたから。

イベントの秋~10月13日、こどもミュージアムフェスタ2024に参加した際の写真

イベントの秋~10月13日、こどもミュージアムフェスタ2024に参加した際の写真

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。