朝乃山2026年大の里と初顔合わせへ「真のストーリーはここから」/取材ノート7
大相撲で今年、前代未聞の“ちょんまげ大関”が誕生しました。出世の早さに髪の伸びが追いつかず、大銀杏(おおいちょう)を結えない大の里(24=二所ノ関)が初土俵から所要9場所で大関昇進。羽黒山、豊山、雅山の所要12場所を上回る昭和以降最速でした。
そんな今年を象徴する力士がいた一方、一気に番付を落としたのが、大関経験者の朝乃山(30=高砂)でした。3年ぶりに三役に復帰した5月の夏場所を、右膝のけがで全休すると、続く7月の名古屋場所では左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けが。合わせて現在、4場所連続で休場し、幕下まで急降下しました。復帰は来年3月の春場所の見通し。そんな対照的な2人が実は年明け早々、激しい稽古を行いました。その時、目前に見えた本場所の初対戦を待っているのは、当人たちだけではなくファンも同じはずです。
大相撲
1月 相撲界に走った衝撃
初場所初日を10日後に控えた1月4日、相撲界に衝撃が走った。実力者の朝乃山が「見ての通りです。ボロ負けでした」と、完敗を認めたことが、多くのメディアで報じられた。その相手こそ、所要4場所のスピード出世で、初場所を新入幕で迎える大の里だった。東京・両国国技館から最も離れた、茨城・阿見町に構える二所ノ関部屋の大の里と稽古した関取衆は、ほとんどいなかった。そこへ朝乃山が出稽古に訪れたことで、指標ができた。“強さは本物”。多くの幕内力士の警戒心を一気に高めた。
2人の初稽古は「バチーン」という、本場所でもめったに聞くことができない衝撃音で始まった。立ち合いで胸と胸を合わせると、見守った二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)も、思わず前のめりになって食いついた。直後に圧力をかけて前に出たのは大の里。まわしにこだわらず土俵際に追い詰めると、左ハズで上体を起こして危なげなく押し出した。前頭友風、十両朝紅龍、白熊も交えた申し合いで、2人の対戦は大の里の3勝1敗。大の里が勝った3番は、全て完勝という内容だった。
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高田文太Bunta Takada
1999年入社。現在のスポーツ部ではサッカー(1)→バトル→五輪→相撲(1)→(5年半ほど他部署)→サッカー(2)→相撲(2)→ゴルフと担当。他に写真部、東北総局、広告事業部にも在籍。
よく担当や部署が替わるので、社内でも配った名刺の数はかなり多い部類。
数年前までは食べる量も社内でも上位で、わんこそばだと最高223杯。相撲担当になりたてのころ、厳しくも優しい境川親方(元小結両国)に「遠慮なく、ちゃんこ食っていけ」と言われ、本当に遠慮なく食べ続けていたら、散歩から戻った同親方に「いつまで食ってんだ、バカヤロー!」と怒られたのが懐かしいです。
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