高校2年のとあるクラス全員に一斉メールが届く。そこには担任を含めた25人の序列が記されていた。
現実のスクールカーストと妙に一致した順位にクラスはざわつく。半年後、1位の姫山椿(堀未央奈)が自殺。その3日後に級友それぞれに宛てた遺書が机の上に置かれる。
クラス会で公開されることになったそれぞれの遺書は、一見きれいごとでつづられていたが、本人にしかわからない裏の意味があり、それが一番嫌なところをチクリと刺す。カーストへのうっぷんや本音が明らかになり、自殺の理由があぶり出されていく。
どこにでもある「階層社会」をシニカルに描いた陽東太郎氏の原作コミックを鈴木おさむ氏がシナリオ化、「東京リベンジャーズ」の英勉監督が生きのいい若手俳優で生々しく描いた。
遺書公開で、全員が表の顔をかなぐり捨て、級友の前で本音をむきだす「変身場面」が見どころだ。
吉野北人(THE RAMPAGE)、宮世琉弥、志田彩良…整った顔をゆがめ、声色も変わる。期待の若手が気合を入れて変身を競う。「ベイビーわるきゅーれ」の高石あかりが振れ幅マックスで、目が怖い。【相原斎】
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