【鍵山正和の言葉】 「この試合にかけてきてた」父の涙 優真に伝えてなかった想い

全日本選手権で初優勝を飾った鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)。歓喜する隣には、感極まった涙を流す父正和コーチの姿がありました。自身が91年から3連覇した日本一決定戦。息子にはあえて伝えることを控えた「日本王者」という称号の重さ、そしてその肩書が持つ意味を説きました。史上2度目となる親子2代での優勝直後の声を「鍵山正和の言葉」としてお届けします

フィギュア

<フィギュアスケート:全日本選手権>◇21日◇大阪・東和薬品RACTABドーム◇男子フリー

男子で優勝した鍵山優真(共同)

男子で優勝した鍵山優真(共同)

父の涙が意味すること

21日のフリーを終えたペン取材

―優真選手の初優勝について

それはもう、これだけは絶対に取ってほしかったっていう思いがずっとあったので。去年も、一昨年はケガはあったんですけどね、チャンスを逃してたりしてたので。これにかける思いは、優真以上に多分俺の方があったと思います。

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―SPはミスもありました。今日に向けてどういった声をかけられましたか

そうですね。昨日の時点でもう気持ち切り替えろっていう話をしてたんですけど。今日は「もう全身使って自分のやりたいことを表現しておいで」と。背中を叩いて出ていかせました。

―他選手が崩れた中で きっちり勝つ強さを見せたのは成長を感じますか

いや、多分、やつもそうなんですけど、僕も全く見てないので、周りがどうか、どういうふうになってたのかっていうのは全然知らなくて。なので、意識としてはもう自分のやるべきことだけに集中させて、してもらって出て行かせましたね。

男子フリーの演技後、父の正和コーチ(手前)と抱き合う鍵山優真(共同)

男子フリーの演技後、父の正和コーチ(手前)と抱き合う鍵山優真(共同)

―日本一を通過点に、さらに世界を見据えてると思います。そこに向けてはどんな戦略でやっていきますか

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スポーツ

竹本穂乃加Honoka Takemoto

Osaka

大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。