今日クーパーズタウン行ってからは違うなと思ったので。シアトルでの会見はこれがなんかいいなと思って着てきました。
-今日はMLBネットワークのインタビューでジーター選手に会いたいという話をされてて、その理由と、結果的に満票に同じように1票足りなかったというところ、そこに対する気持ちをお願いします
まず、そのジーターに最後に会ったのはマイアミの3年目が終わったシーズンオフです。オフになって、球場で。話があるということで訪ねたんですけど。その時に来年の契約はないと。そこではっきりと告げられました。それで次に僕は進めたわけですけど。そこからジーターがマーリンズのオーナーになって会う機会なかったんですよ。
会う機会なければ当然、電話で話すわけでもないですから、この機会にどこかで再会したいという思いがずっとあったので。もしこのタイミングで会えたら。夏になりますかね。それはなかなか、当時できなかった話ができるんじゃないかということも含めて、楽しみにしてます。
1票足りないというのは、すごく良かったと思います。しかもジーターと一緒。数字的には、の話なんですけど。足りないものを、これって補いようがないんですけれど、努力とかそういうことじゃないからね。ですけど、いろんなことが足りない、人って。それを自分なりに、自分なりの完璧を追い求めて進んでいくのが人生だと思うんですよ。これとそれはまた別の話なんですけど、やっぱ不完全であるというのはいいなって。生きていく上で、不完全だから進もうとできるわけで。そういうことを考え、改めて考えさせられるというか、見つめ合えるというか。そこに向き合えるというのはよかったなと思います。
-今大リーグで大谷選手をはじめ、多くの日本選手が活躍している。この現状、イチローさんはどのように感じてますか。多くの日本選手が礎を築いた中で、イチローさんも大きな役割を担ったと思います
僕が何を担ったか分からないですけど。もちろん初めての野手としての覚悟を持ってプレーしたことは事実です。でもその後、その後もじゃあ同じ思いを持ってプレーしたかというとそうではありません。
日本人選手のために、じゃあ僕はやることで何かが開けるか、そんな余裕なかったです。もう必死です。自分の結果出すことで。結果的にそう見えたかもしれないですけど、それは人が判断することで、僕から述べることではないと思います。
今日本人選手たちも活躍、あるんですけど。今年で僕が始めてきてから25年目となるんですけど。感覚的にはまだまだ少ないですよね。25年後にこんなに少ないのかっていう感触です。南米系の選手、どのチームだっているじゃないですか。何人もいます。何だったらアメリカ人よりも多いチーム、感覚的にね。実際の数は見ていないですけれど。そこまでも到底及んでないですよね。あまりにも進み方が遅い。というのは僕の感触です。もう各チームに1人、2人最低いるぐらいになってるんじゃないかと期待していました。全くそこまでは届いていないです。これは僕の感想ですね。
-イチローさんの現役の時に言葉の持つ力というのどう意識されて、どう向き合ってましたか
僕の中から出てくる言葉を選んでました。じゃないと伝わらないから。人から聞いたいい言葉とかいい話とかっていいんだけど、それってじゃあこうやって公の場で、僕が僕の言葉じゃない言葉で話したとしてもこれ聞いてる人わかっちゃうんですよね。不思議なことに。僕の中から湧いてくる言葉。それを表現してました。
-それは記録の時も、その場、その場でも考えたものではなくて、自然に出てくるのを待つ
降ってくるのを待ってることはありました。それでも作り上げたという感じじゃないですよ。
どうですか、やっぱ言葉って何か自分の意思とか気持ちを伝えるのに基本的な、言葉でしか伝えられないことも多いわけで。その時に自分の言葉じゃない言葉で伝えたとしても。皆さん話を引き出すお仕事ですから、それって感じられてきたんじゃないですか? いろんな選手たちといろんな人たちと。インタビューとかね話をしてみて、僕が聞いてみたいぐらいです。
それはどの時代もそうですけど、今はそれが極端になっているという印象ですよね。今、記者さんたちがね、大変だなと僕は想像するんですけど。表現してる言葉を額面通りに取れないんじゃないかって。その裏側を結局捉えないといけないけど。でも表現してないからそれが書けない。こう思うけど、表現ができないというもどかしさは、それは現代の深刻な病とまではいわないですけど、言葉の裏側を捉えないといけない、だけどそれは表現ができない。だから僕はなるべく自分が思っていることを表現したいと思ってます。
でもそれでも難しい現代をね。いろんなことカバーしようとしたら無理ですよ。もう話なんかできない。だから僕としては薄っぺらい会話なら何言ったっていいんだけど、深くちょっとこう議論を呼びそうな話題になった時、その時は7:3のバランスでアンチがいるといいなって思ってます。100%、10割ね、賛同される意見はつまんないですよ。つまらないし、議論にならない。7:3。6:4だとちょっとね。8:2でも8が強すぎる、そうね。3が強すぎるのも問題なんだけれど、7:3ぐらいのバランスを目指してるんだけどね。なかなかそれは結果だからわかんない。
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