スリリングな独自スタイルの漫才「ラビットラ」 10年目につかんだ自信

漫才コンビにとって「結成10年」は、大きな節目。賞レースでは参加資格が「10年以内」というものが多く、これを過ぎると目標が限られてくる。ラビットラは結成10年目の今年、NHK上方漫才コンテスト(5月24日)、NHK新人お笑い大賞(10月27日)と立て続けに決勝進出。いずれも優勝には届かなかったものの、つかんだ自信は大きい。渡邊瞬(38)と松本直也(37)。年齢的には決して若くはないが、まだまだ成長力を秘めている。

お笑い

◆ラビットラ2014年(平26)12月、コンビ結成。

渡邊瞬(わたなべ・しゅん)1986年(昭61)10月30日生まれ、兵庫県宝塚市出身。趣味は食べ歩き、水泳。身長170センチ。

松本直也(まつもと・なおや)1987年(昭62)10月18日生まれ、兵庫県尼崎市出身。趣味は映画鑑賞、テーマパークめぐり、格闘技、キャンプ。身長170センチ。

17年、新人お笑い尼崎大賞(漫才・コントの部)、24年のNHK上方漫才コンテスト、NHK新人お笑い大賞の決勝戦に進出。

10年目にしてNHK上方漫才コンテストなどの決勝を戦い、さらに飛躍を期すラビットラ。渡邊瞬(左)と松本直也(撮影・三宅敏)

10年目にしてNHK上方漫才コンテストなどの決勝を戦い、さらに飛躍を期すラビットラ。渡邊瞬(左)と松本直也(撮影・三宅敏)

「NHKは狙っていたんです」

はっきり言って、これまでに目立つような派手な活躍をしたわけではない。劇場で他を圧するような大歓声を集めるわけでもない。しかし、結成10年目のラビットラにとって、今年、2024年は大きな飛躍の1年だった。

NHK上方漫才コンテスト、NHK新人お笑い大賞と、お笑い界の賞レースで立て続けに決勝進出。優勝をかけて戦うその姿は、テレビの生中継という晴れ舞台でもあった。

渡邊前年からNHKは狙っていたんです。M-1グランプリよりもNHKの賞レースが、我々には合っているんじゃないかと考えてました。11年目になると出場できないので、今年、決勝に進めたのは大きな喜びでした。

松本念願の決勝舞台でした。ただ、少し雰囲気にのまれたかな、という反省もあります。いつもの劇場出番とは違って「楽しくやるんだ」という感じになりきれなかった。数字でいえば、60%の力しか出せなかった気がします。

渡邊それは、僕らには大舞台での経験が足りなかったという部分もあるかと。「もっとウケたはずなのに」という気持ちは正直ありました。

松本慣れていない、というのは僕も思います。期待と不安を抱えながら決勝の舞台に出たのですが、思ったよりも緊張していたのかもしれません。

2人の独特なスタイル

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。