【メッセンジャーあいはら】令和のキング・オブ・ラジオ芸人 いつもボクらの傍らに

キング・オブ・ラジオ芸人。メッセンジャーあいはら(55)こそ、その称号にふさわしいでしょう。本職は漫才師ながら、ラジオ番組で発揮するエッジの効いたトーク、共演者と「あ・うん」の呼吸で爆笑を生みます。少年時代は、ラジカセから聞こえる深夜放送にかじりついていました。「いつか、ラジオをやりたい」という当時の夢が今、大輪の花を咲かせています。

お笑い

◆メッセンジャーあいはら 1969年(昭44)9月6日、大阪府岸和田市出身。NSC(吉本総合芸能学院)10期生。黒田有(たもつ=54)と、91年(平3)4月に漫才コンビ「メッセンジャー」結成。07年、上方漫才大賞。趣味はプロレス観戦、サーフィン、テニスのまねごと。身長172センチ。愛称パラちゃん。レギュラー番組はコンビでMBSラジオ「それゆけ!メッセンジャー」あいはらとして同ラジオ「メッセンジャーあいはらのYouはこれから!」カンテレ「マルコポロリ!」読売テレビ「かんさい情報ネットten!」。YouTubeの「パララジオ」。

圧倒的な存在感 ルーツは?

あいはら少年が6歳の頃、両親が離婚した。祖父とともに暮らすことになったが、小学生とおじいちゃんの生活リズムは微妙に食い違う。

家にテレビはなく、祖父は夜9時半に就寝。そんな環境のなか、友達になったのがラジオだった。

あいはら小学校5年だったと思います。ラジカセとイヤホンでラジオ番組を聞くようになったんです。住んでいたのが愛知県豊橋市だったので、名古屋の人気DJとして有名なつボイノリオさんのラジオに夢中でした。

サブカルチャー的な話題にエロスをちりばめたトークは、当時の小学生には新鮮で、必死に聞いてました。

つボイノリオ(75)は、愛知県出身のラジオパーソナリティーでシンガー・ソングライター。DJとしては名古屋で圧倒的な人気を築き、一方で歌手としてはヒット曲「金太の大冒険」でも知られる。

あいはら「この人、本職は何やろか?」と不思議に思いながら聞いてました。当時の僕から見れば、芸人でなく、歌手でもない、いったい何者なんやという思いです。

もう1人、笑福亭鶴光さんのオールナイトニッポンも大好きでした。鶴光さんのオールナイトニッポンを聞くために、友達何人かが集まっていっしょに聞くということもありました。

ラジオから学んだ笑いとエロ

笑いとエロ。多感な少年は、2人のラジオから多くを学んだ。

次の転機は、中学3年のとき。故郷の大阪府岸和田市に戻ってきた。ここで大阪発ラジオの洗礼を受ける。伝説ともなった「MBSヤングタウン」(1967年10月放送スタート)。当時のラインアップをすらすらと挙げてみせた。

あいはら月曜日明石家さんまさん、火曜日嘉門タツオさん、水曜日原田伸郎さん、木曜日島田紳助さん、金曜日谷村新司さん、土曜日笑福亭鶴瓶さん、日曜日西川のりおさん…。毎日のようにヤンタンを聞きながら、お笑いに興味を持つようになりました。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。