川畑泰史 吉本新喜劇・座長勇退後も尽きない57歳の好奇心

川畑泰史(57)が吉本新喜劇の座長を勇退したのは昨年3月。以来、自由を得たように生き生きとチャレンジを続けている。過去2度の公演を成功させた「ボイコメ」の第3弾が12月に大阪で、さらに来年1月には東京で「異世界新喜劇」も。いずれも人気声優と新喜劇のコラボで「声優さんから学ぶことは多い」と目を輝かせ、さらにK-POPダンス、バク転、ヒンディー語など「やってみたいこと」は山積。どこまでも貪欲な57歳だ。

お笑い

◆川畑泰史(かわばた・やすし)1967年(昭42)6月22日、京都市出身。NSC(吉本総合芸能学院)9期生。同期にはナインティナイン、宮川大輔、矢野・兵動ら。91年に新喜劇入団。07年6月~23年3月、座長を務めた。趣味は温泉めぐり、ラーメン食べ歩き、松山千春にあこがれ弾き始めたギター。身長167センチ。

「朗読劇ボイコメvol.3~声優×吉本新喜劇」が12月14、15日にクールジャパンパーク大阪TTホールで。

「とある神様に異世界転送させられた新喜劇座員が、オタク知識(スキル)を振りかざし、無双するみたいです。」は25年1月25、26日に東京・草月ホールで。

吉本新喜劇の座長を勇退後「自分のやりたいことにチャレンジさせてもらってる」と語る川畑泰史(撮影・三宅敏)

吉本新喜劇の座長を勇退後「自分のやりたいことにチャレンジさせてもらってる」と語る川畑泰史(撮影・三宅敏)

声優からの刺激

12月14、15日にクールジャパンパーク大阪TTホールで「朗読劇ボイコメvol.3~声優×吉本新喜劇」が行われる。斎賀みつき、笠間淳、高塚智人という人気声優。新喜劇からは川畑泰史、今別府直之、森田まりこが出演し、異色の朗読劇が展開される。

今年2月、8月と2度の「声優×新喜劇」コラボ公演を経て、川畑にとっては今回が3度目。過去2度は熱狂的な声優ファン、アニメファンが駆けつけ、通常の新喜劇公演とは明らかに空気が違っていた。

川畑最初は、ほんまに手探り状態でした。声優さんの世界に詳しいわけでもなかったし、事前顔合わせでは「私たち、アドリブには不慣れなんです」とクギを刺されて。ところが、ふたを開けてみるとがんがんアドリブを入れてくるし、想像していたより声に迫力があるし。僕らは表情やら動きやら、舞台上で全身を使ってお芝居しますが、声優さんは「声だけ」の勝負。あの表現力は見事です。見習うべきことがたくさん見つかりました。

過去2回の公演は、大阪のうどん屋、たこ焼き屋の屋台が舞台と、いかにも吉本新喜劇らしい設定だった。緻密な稽古(けいこ)らしい稽古はなく、公演直前の本合わせのみ。

川畑我々の新喜劇でも前日には出演者全員で舞台稽古を行いますが、声優さんとのコラボではまさに一発勝負でした。過去2回はお客さんをいじったり、朗読劇というスタイルを生かしたお笑いを意識しました。ただ「おもしろかったらええねん」だけでなく、新喜劇らしさを生かした笑いを増やしていきたいと思ってます。

岡田直子はガチ

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。