「技坊主」ピン芸人・清川雄司 口に入れてハーモニカ、紙切り、腹話術…世界へ夢描き

ピン芸人の清川雄司(23)は、誰にもマネできないオリジナル芸で観客の度肝を抜く。紙切り、ハーモニカ、腹話術…。漫才やコントのように客席の爆笑を呼ぶわけではないが、独自の技(わざ)で見る者の注目を一心に集め、ライブは感動的でさえある。「世界の舞台で活躍したい」と心を躍らせる清川の本音に迫った。

お笑い

独創的な芸で世界を目指す清川雄司(撮影・三宅敏)

独創的な芸で世界を目指す清川雄司(撮影・三宅敏)

◆清川雄司(きよかわ・ゆうじ) 2000年(平12)10月25日、大阪府交野市出身。NSC(吉本総合芸能学院)43期。24年、NHK上方漫才コンテスト決勝進出。芸歴5年以内の若手芸人を対象とした「UNDER5 AWARD 2024」優勝。特技は紙切り、腹話術、ハーモニカ、パンひと口食べ。身長167センチ。

NHK上方漫才コンテスト決勝進出

今年春から一気に頭角を現した。5月24日の「NHK上方漫才コンテスト」で決勝進出、6月23日の「UNDER5 AWARD 2024」優勝では、賞金100万円をゲットした。

若手が競う大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)での出番も増え、期待のピン芸人として、バリバリ売り出し中。

清川オーディションを勝ち抜いて、マンゲキのメンバー入りしたのが1年半ほど前でした。(入れ替え戦で)メンバー落ちしないよう、ずっと必死でしたが、最近は少しは気持ちに余裕が出てきたでしょうか。でも正直なところ、お客さんに飽きられないよう、今も新しいネタ作りにいっぱいいっぱいなんです。

漫才、コントが大半の若手芸人がひしめく中、清川は独自の世界を展開する。

紙切り、腹話術、縄跳び、けん玉…。なかでもハーモニカを口の中にすっぽり入れ、演奏する芸は笑わずにはいられない。

驚くのはハーモニカを演奏しながら紙切り芸を見せたり、ホッピングに乗るなどの複合技も。自分で付けたキャッチコピーが「技坊主(わざぼうず)」。

清川実は、そんなに器用な人間ではないんです。紙切りにしても、誰かに習うというわけでなく、独学でやってます。

ハーモニカを口の中に入れるようになったのは、NSCの同期といっしょにいて「ちょっと笑わせてやろう」と口に入れてみたら、意外とすっぽり収まりまして(笑い)。それまではホルダーでハーモニカを固定して吹いていたんですが、口の中に入れたままでも練習をするうちに曲を演奏できるようになりました。

慣れれば平気なもので、口にハーモニカを入れることだって、腕時計を腕に付けるのと、今では同じ感覚です。

トミーズ雅「世界を目指せる」

先輩芸人のトミーズ雅は、審査員を務めたNHK上方漫才コンテストで初めて清川の芸と出合い、衝撃を受けた。「切り絵をしながら、ハーモニカを吹いて、あんな芸をできるのが怖い。日本だけでなく、世界を目指せる」と絶賛する。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。