【ダブル襲名】65歳桂枝光改メ4代目梅枝、63歳桂三風改5代目慶枝【名跡復活】

「枝光改メ4代目桂梅枝」「三風改メ5代目桂慶枝」。ダブル襲名まで、あとわずかとなった。襲名披露公演は、9月27日の大阪・なんばグランド花月が第1弾。以後、名古屋、北海道、福岡、東京など全国を巡演していく。「舞台で手が震えるかも」「震えながら噺(はなし)をするのも我々の醍醐味(だいごみ)」と、今からその日を楽しみにしている。

お笑い

W襲名を控える桂三風(左)と桂枝光(撮影・三宅敏)

W襲名を控える桂三風(左)と桂枝光(撮影・三宅敏)

◆桂枝光(かつら・しこう)1959年(昭34)6月21日生まれ、大阪市出身。78年、5代目桂文枝に入門。桂小つぶを名乗る。明るいキャラクターと愛嬌(あいきょう)ある笑顔で数々のテレビ、ラジオに出演する。96年(平8)2代目枝光を襲名。一方で子どもの転地療養のため、91年に北海道移住。札幌市で市民寄席「さっぽろ開進亭」を主宰する。趣味はゴルフ、ドライブ。身長165センチ。

◆桂三風(かつら・さんぷう)61年6月26日生まれ、滋賀県大津市出身。84年6代桂文枝(当時は三枝)に入門。01年ごろから客席と高座が一体になって噺を運ぶ「客席参加型落語」を実施。07年繁昌亭大賞創作賞受賞。趣味は旅、温泉めぐり、ジャグリング、バルーンアート。身長174センチ。

▼枝光改メ4代目桂梅枝、三風改メ5代目桂慶枝のW襲名披露公演9月27日、大阪・なんばグランド花月でスタート。東京、北海道、福岡、愛知など全国を巡演する。

明治、大正以来

枝光が襲名する4代目桂梅枝(ばいし)は、大正時代以来の名跡復活。一方、三風の5代目桂慶枝(けいし)は明治43年以来となる。

枝光の師匠5代目文枝、三風の師匠6代文枝の系譜をたどれば、いずれもその名にたどりつく。

枝光各方面で準備遅れもありますが、襲名に向けて心はワクワクしています。上方、東京のはなし家にきちんとあいさつしなければなりませんし、同時にハラハラしている面もありますね。

9月27日の出演者が豪華そのもの。6代文枝、月亭八方、桂小文枝、桂文珍、桂米団治、柳亭市馬らが華を添える。

三風そうそうたる顔ぶれです。NGK(なんばグランド花月)では枝光兄さんの気遣いで、私がトリを取らせてもらうのですが、もう手が震えそうで…。

枝光心配せんでええよ。確実に手が震えるから(笑い)。襲名披露とは通常の舞台とは別もので、震えながらも噺をするのが我々落語家の醍醐味なんやから。

三風その日に備えて、今は毎日2時間、犬を散歩させながら稽古(けいこ)を繰り返しています。この時期は暑いので、朝は6時から、夜は10時ごろから行ってますんで、愛犬(秋田犬)は睡眠不足になっているかも。私のネタを一番聞いてくれているのも犬かもしれません。

【枝光】北海道へ移住

枝光は96年まで桂小つぶを名乗っていた。愛嬌(あいきょう)あふれる笑顔で「ヤングおー!おー!」「プロポーズ大作戦」などのテレビ番組で人気者でもあった。しかし、ぜんそくに苦しむ子どものために、北海道への移住を決意。1991年のことだった。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。