【ツートライブ】M―1卒業して初めての夏…「ネタ作りの天才」が歩む、第2の闊歩道

ツートライブは、昨年が「M―1グランプリ」挑戦のラストイヤーでした。今年の夏はM―1がない分、のんびりしている? と思いきや、その正反対。自身の単独ツアー「闊歩旅 '24 」を控え、さらにミルクボーイらと10年間で全国47都道府県を巡演する「漫才ブーム10年間ツアー」が始まりました。「この先10年は、生き残って漫才しなければ」と、たかのり(40)周平魂(40)は覚悟を新たにしました。

お笑い

「漫才ツアー 闊歩旅24」「漫才ブーム10年間ツアー」とフル回転するツートライブ。たかのり(左)と周平魂(撮影・三宅敏)

「漫才ツアー 闊歩旅24」「漫才ブーム10年間ツアー」とフル回転するツートライブ。たかのり(左)と周平魂(撮影・三宅敏)

◆ツートライブともにNSC(吉本総合芸能学院)30期生。兵庫県立大の同級生として出会い、コンビ結成は2008年(平20)4月。今年1月、上方漫才協会大賞文芸部門名誉賞受賞。

たかのり1984年(昭59)4月11日生まれ、広島県尾道市出身。趣味は釣り、旅行、お酒。身長177センチ。

周平魂(しゅうへいだましい)83年9月11日生まれ、京都市出身。趣味は料理、ブラックミュージック、釣り。身長169センチ。

ゆったり漫才…ツアー「闊歩旅」へ

夏。すべての漫才コンビがM―1グランプリに向けて始動する。決勝は12月。勝負ネタをつくり、コンビでネタを練りに練りあげていく。

しかし、ツートライブは、昨年までとは別の道を歩んでいた。

たかのり夏になると、いつも自然にM―1を意識していました。昨年はツートライブ15周年の単独ツアーを行いましたが、M―1ラストイヤーということもあって、8本9本のネタを仕上げにいってました。

周平魂M―1を考えた場合、4分ネタで本数をつくることが重要でした。M―1挑戦が終わった今は、8分、9分のネタがメインになっています。今年のツアー「闊歩旅 '24 」では、去年よりも、ややゆったりと漫才を楽しんでもらえると思います。

たかのりいつも、M―1の存在が僕のどこかにこびりついていた。その意味では解放された気分もあります。だから今は、とにかく楽しくツアーに取り組みたいです。お客さんにも、よりリラックスして笑っていただきたいですね。

周平魂M―1で4分、THE SECONDでも6分ネタ。もしかして、僕らの漫才は賞レースに向いていないのかも(笑い)。

飯ごう炊さん! カレーが…

コンビ結成から16年目。M―1では準々決勝に7年連続進出。準決勝のカベに阻まれ続けた。

しかし、ツートライブはこの間、着々と舞台でキャリアを積み、ファンの支持を集めてきた。

6月15日には、YouTubeラジオの公開収録を兼ねたファン対象のバスツアーを開催。参加者とともに、飯ごう炊さんを楽しみ、カレーを作るイベントだった。

たかのり鍋に水を入れすぎてしまい、超しゃばしゃばのカレーになりました。カレーなんて、普通に材料をそろえて煮込めばそれなりにおいしくできそうなものですが…。メチャまずいカレーになってしまいました(笑い)。

そんな失敗があっても、ファンはありがたい。見知らぬファン同士で親交を重ね、いつしか友達の輪が広がった。

周平魂最初は他人だったけど、気がついたら友達になっているケースも多いようです。そんな人たちと、僕らもいっしょに年齢を重ねていきたいですね。今僕は40歳ですが、50歳になっても「闊歩旅」を続けていられれば最高です。

◆ツートライブ漫才ツアー「闊歩旅 '24 」

▽8月17日 名古屋・大須演芸場

▽9月13日 東京・座・高円寺2

▽10月26日 大阪・よしもと漫才劇場

漫才ブーム10年間ツアー

一方で「漫才ブーム10年間ツアー」が7月20日、香川(教育会館ミューズホール)で開幕した。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。