【150秒の青春】梅花女子大RAIDERS~Last Cheerにかける11人の物語

チアリーディングの大学日本一を決める学生選手権大会(インカレ)は12月21日から2日間、高崎アリーナ(群馬)で行われます。強さと美しさを追求しているのが2012年以来の優勝を目指す梅花女子大RAIDERS(大阪)。学生最後の演技となる4年生11人の物語を描きます。

その他スポーツ

梅花高20周年記念公演
25日クリスマスに開催

梅花高20周年記念公演で演技をする選手たち(撮影・清水貴仁)=2024年12月8日、梅花女子大

梅花高20周年記念公演で演技をする選手たち(撮影・清水貴仁)=2024年12月8日、梅花女子大

梅花中学、高校チアリーディング部の創部20周年記念公演が、12月25日に豊中市立文化芸術センターで盛大に開かれます。

8日には梅花女子大でリハーサルが行われました。

その模様を写真特集でお伝えします。

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リベンジのインカレ
4年生11人のドラマ

2024年12月8日、梅花高の20周年記念公演のリハーサルに参加した梅花女子大メンバー(撮影・清水貴仁)

2024年12月8日、梅花高の20周年記念公演のリハーサルに参加した梅花女子大メンバー(撮影・清水貴仁)

インカレに向けた調整は、最後の仕上げの段階に入っていた。

12月中旬、梅花女子大が練習する体育館は、正門をくぐってすぐ。キレイなカフェテリアの上にある。

すっかり日が暮れ、授業を終えた選手が集まってくる。

大きなクリスマスツリーが校内を美しく照らしていた。

「リベンジをかけたいんですよ」―

豊野々香コーチは選手たちを見つめながらそう言った。

オープニングにパートナーからのダブル、最後はトリプルを組み込んでいる。

夏のジャパンカップは直前の練習まではうまくいっていた技だが、本番では決まらなかった。

だからこそ「リベンジ」という言葉が出たのだろう。

それは、RAIDERSの復活を意味しているようにも聞こえた。

大学日本一を懸けた冬のインカレは、2012年を最後にディビジョン1の優勝から遠ざかっている。

今年のジャパンカップも帝京大、日体大に次ぐ3位。

「ただ、笑顔で終わって欲しいんです。だから、今回は選手がやりたい技を取り入れました。コールは展開が速いので、楽しみながら見てもらいたい。ラストのバードから続く展開技は、見たことがないものを取り入れる予定です」

1992年の創部から指導にあたっている三浦恵子名誉顧問はこう話していた。

「真面目な子たちなんですよ。すごく頑張っているんです。単発でやったら、すごくキレイに決まるんです。後は、本番で決められるかどうかです」

孫のような部員たちを、優しいまなざしで見守っている。

そして、こう続けた。

「ここのところインカレはずっと泣いてばかりなんです。『ヨッシャー!』って言ってね、終わって欲しいなあと思っています。

なんやかんやね、コロナの頃をのぞいたらずっと3位以内には入っている。勝って欲しいですよ。もう1回優勝したら、私も笑顔で辞められるじゃないですか」

見たいのだ。

彼女たちの輝きを―。

再び、日本一に返り咲く姿を―。

学生生活最後の150秒となる4年生全員、11人のドラマを描く。

ほとんどの選手がインカレを最後にチアリーディングを引退します。記事に添えた写真は4年生全員にチア人生のベストショットを選んでもらいました。チアを始めた幼いころ、姉妹で目指した夢、たくさんの思い出が詰まっています

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。